「iPad手放せません」73歳・宇都宮健児氏、SNSマスターして3度目の都知事選…インタビュー

インターネットを使った選挙戦を繰り広げる宇都宮健児氏
インターネットを使った選挙戦を繰り広げる宇都宮健児氏

 東京都知事選(7月5日投開票)注目候補のインタビュー、第2回は立候補者の中で最年長の元日弁連会長の宇都宮健児氏(73)。2012年、14年に続き3度目の立候補となる戦いを「小池都政の4年間をチェックする選挙」と位置づける。新型コロナウイルス感染拡大防止に努めながらネットを使った選挙活動、16年に出馬辞退をした悔しさ、都政への思いなどを聞いた。(増田 寛)

 73歳の宇都宮氏は自身でSNSを更新し、有権者に支持を訴える。「iPadは持ち運びが便利。もう手放せません。最初は平仮名しか使えなかったけど、漢字の変換や句読点が打てるようになって、今では更新の仕方も分からなかったツイッターで選挙活動ができるまでになりました」。5月25日の出馬表明もツイッターで行い、有識者との討論もテレビ会議アプリ「Zoom」で行う。3密回避のため、街頭演説もネットで生配信している。

 2012年、14年に続き、今回で“3度目の正直”を狙う宇都宮氏は、「都民の生存権がかかった選挙」と訴える。現職の小池百合子氏(67)の感染症対策に関しては、「ここまで抑えられたのは運が良かった。対策としては大変お粗末」と痛烈に批判する。

 「3月24日に五輪延期が決定し、(翌日の)25日に小池さんは感染爆発、重大局面と言い始めた。五輪延期前からコロナの相談件数が増えていたが、五輪開催のために検査数を抑え込んでいたのではないか。都合のいい理屈を振り回している。本当にコロナ対策をしていたのか、検証が必要です」

  • ネット設備は万全の宇都宮氏の事務所
  • ネット設備は万全の宇都宮氏の事務所

 小池都政に物申したいのはコロナ対策だけではない。小池氏が16年に掲げた公約「7つのゼロ」の達成率に「当初の公約が全く守れていない。小池都政発足時は75点と評価したが、今は30点です」と憤る。

 「情報公開徹底は東京大改革の一丁目一番地ということで、改革志向で自民党中心の体制に切り込んでいくスタイルで期待していた。だが、築地の豊洲移転問題では、移転の決定過程はブラックボックス。カジノ誘致もブラックボックス。4年間で十分に公約を果たしていない。この選挙は小池都政の4年間の評価を問う選挙でもあります」

 2016年、野党統一候補をジャーナリストの鳥越俊太郎氏に固めたことで、出馬を辞退した。「苦渋の決断。出たかった。でもその経験が精神的に私を強くしてくれました。どんな状況に立たされても戦う。そんな気持ちでした」。自身の選挙ポスターは、悔しさを忘れないため、16年に用意した写真を使用している。

 愛媛県の小さな漁村に生まれ、9歳の時には開拓農家として、一家で大分県に移り住んだ。荒れた土地を開墾する父を見て育ち「父のような、貧しく苦労する人びとのために、力を尽くそう」と弁護士になることを決意した。貧しい幼少時代を経験したからこそ、実現したい政策がある。

 「学校給食の無償化を何としても実現します。子供の貧困をなくしたい。ほんの少し道路工事を見直して、予算を捻出すれば無償化はかなうことですから」

 ◆宇都宮 健児(うつのみや・けんじ)1946年12月1日、愛媛県生まれ。73歳。68年、東大在学中に司法試験合格。経済的事情で大学を中退するも、69年に司法修習生となり、71年には弁護士登録。83年に独立。2006年にはグレーゾーン金利撤廃のため貸金業法改正に尽力。宮部みゆきさんの小説「火車」に登場する弁護士のモデルとしても知られる。10~11年に日弁連会長を務めた。

インターネットを使った選挙戦を繰り広げる宇都宮健児氏
ネット設備は万全の宇都宮氏の事務所
すべての写真を見る 2枚

社会

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 マガジン報知 バックナンバー申し込み 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請