浜松学院高野球部監督・吉田道さん 球児思いやる「10年後笑顔で話せるように」

練習を指揮する浜松学院の吉田監督
練習を指揮する浜松学院の吉田監督

 目標だった甲子園がなくなった教え子の球児たち。「自分たちの力がまったく及ばないところで夢を奪われた。そんな生徒たちに『気持ちは分かる』とは、とても言えない」と厳しい表情で話した。

 東海大相模でエースを務め、3年春(1992年)のセンバツで準優勝。同年ドラフト2位で近鉄入りした。「すごい場所でした」と聖地を振り返る。新型コロナウイルスの感染拡大により、その場所に挑戦する権利ごと失ってしまった。戦後初の大会中止。それだけ「すごいこと」が起きてしまった。「嫌なことがあると大人は酒を飲む。でも高校生はそうはいかない。どこにそのエネルギーをぶつければいいのか」と選手のショックを思いやった。

 中止が決まり、マネジャーを含む3年生13人を集めた。野球を続けるか。引退して勉強するか。親としっかり相談して決めるように話した。4日後に全員が現役続行を決めた。「やるからには1、2年生と同じ練習をさせる」という方針の下、現在は全員が泥だらけになって白球を追いかけている。

 10年や20年過ぎた後でこの13人が集まった時に「おいしいご飯を食べて笑顔で話しあえるようになってほしい」。自身もプロから戦力外通告を受けた際、自暴自棄になりかけたことがあるという。3年生にもヤケを起こさず、崩れることなく、次のステップを踏み出してほしい。高校野球にピリオドを打てるように「練習をやり切ってほしい」と願っている。(里見 祐司)

 ◆吉田 道(よしだ・とおる)1975年1月15日、磐田郡豊田町(現磐田市)生まれ。45歳。豊田北部小―豊田中。東海大相模高3年春のセンバツで準優勝。92年ドラフト2位で近鉄入り。96年引退。12年4月から浜松学院高社会科教諭。同年7月から野球部監督。家族は妻と2男。

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