Jリーグ1級審判員・大塚晴弘氏、コロナ禍もカフェ経営両立で再開へ準備

サッカー1級審判員の大塚晴弘さん(右)はカフェを経営しながら審判の仕事も両立している(左は妻の好美さん、本人提供)
サッカー1級審判員の大塚晴弘さん(右)はカフェを経営しながら審判の仕事も両立している(左は妻の好美さん、本人提供)

 Jリーグは新型コロナウイルスによる中断を経て、27日から開催される。公式戦に欠かせない審判員は、日本サッカー協会(JFA)とプロ契約を結んで活動しているのはごく少数。Jの試合を担当できる1級審判員も大多数が仕事と両立しているのが実情だ。過去に国際審判員を務めた経験を持ち、現在は兵庫・姫路市でカフェを経営する1級審判員の大塚晴弘さん(45)もコロナ禍で日々の生活に影響を受けながら、再開に向けた準備を進めている。

 「プロとアマチュアの狭間(はざま)」。Jリーグをさばく審判員の大半は、そうした複雑な状況に置かれている。今季、Jリーグを担当する1級審判員は主審・副審合わせて157人いるが、そのうち審判活動に専念できるようJFAとプロ契約を結んでいるプロフェッショナルレフェリー(PR)はわずか16人。残りは仕事と両立している。

 1試合における報酬はJ1だと主審が12万円、副審が6万円とされており、PRでなければ審判の仕事だけで生活するのは簡単ではない。大塚さんも11年から6年間PRとして活動する以前は海上自衛隊に勤務し、18年からはカフェ「ametuchi」を経営。16年までのプロ時代は公式戦に合わせた生活を送っていたが、現在は定休日の水曜日や週末に試合に臨む。

 コロナの影響で中断期間の延長が相次いだ時も、再開に備え体力はキープしないといけない。ジャッジの感覚が鈍らないよう、オンラインで審判によるミーティングやディスカッションも開かれている。07年から副審としてJリーグを担当する大塚さんは「体や目だけじゃなく、メンタルやモチベーションを保ち続けることの大事さ、大変さを実感しています」と話す。

 厳しい環境で戦う大塚さんたち審判員の根底にあるのは「選手がよりよい環境で最高のプレーができるように我々が存在している」という高い志。「プロの試合を担当する以上、プロ意識を持って試合に臨む」との思いが支えとなっている。(種村 亮)

 ◆ametuchi(あめつち)

 ▽住所 兵庫県姫路市大津区天満306―6(TEL079・227・6109)

 ▽営業時間 通常午前9時~午後5時だが、当面の間は午前10時~午後4時に短縮。休業日は水曜(不定休あり)。6月1日から店内での飲食を再開している。

 ▽メニュー 添加物を使用せず有機素材にこだわったメニューが特徴。大塚さんは「すべて有機、無添加で体に優しいものを手作りで提供しています」とPR。

 ◆日本の審判員 JFAの審判資格は4級、3級、2級、女子1級、1級があり、総数は4月1日時点で28万1125人。JFAの主催試合を担当できる1級審判員は224人で、Jリーグを担当する主審、副審は1級資格者から実績をもとに選出される。今季は主審58人、副審99人。国際試合をさばく国際審判員は1級及び女子1級審判員から選出。審判資格を取得するためには原則、都道府県サッカー協会の主催する4級審判員取得講習会を受講。以降は各級ごとに昇級試験を受ける必要がある。

 ◆大塚 晴弘(おおつか・はるひろ)1975年4月11日、神奈川・綾瀬市生まれ。45歳。小2から高3までサッカー部でプレー。日体大1年時の94年に4級審判員の資格を取得。以降は96年に3級、98年に2級、2006年に1級審判員に。09年から国際審判員に登録され、11年からはプロフェッショナルレフェリーとして活動(ともに16年まで)。副審としてJ1で165試合、J2で104試合、J3で2試合を担当。17年に元女子1級審判員の好美さんと結婚。

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