【巨人】吉川尚輝「内野の頭を抜けてくれ」で決勝2ラン…6000勝をもたらす芸術弾

7回、吉川尚が逆転2ランを放った
7回、吉川尚が逆転2ランを放った

◆JERAセ・リ-グ 巨人3―2阪神(19日・東京ドーム)

 クールな吉川尚が感情を爆発させた。「1点ビハインドだったので、とにかく『内野の頭を抜けてくれ』という気持ちで走っていて、スタンドに入ったので…ガッツポーズが出ました」。逆転の決勝2ラン。あっという間にダイヤモンドを一周し、原監督やナインとエア・グータッチを交わした。

 チームに通算6000勝をもたらす芸術弾が飛び出したのは、1点を追う7回1死二塁だった。マウンドの岩崎は、昨季の対左打者の被打率が1割1分5厘。その左キラーが投じた内角シュートは完璧に決まりかけたが、吉川尚の技術が上回った。肘を抜きながらコンパクトに体を回転させると、打球は右翼席中段で弾んだ。

 3年連続3度目の開幕スタメンとなったが、今年に懸ける思いは特別だった。昨季は開幕からロケットスタートを決め、11試合で打率3割9分と打線をけん引。チームの長年の課題だった「1番・二塁」を解決したかに見えたが、腰痛を発症して4月14日に登録抹消となった。秋にチームがリーグ優勝する中、吉川尚は戦列復帰することなくシーズンを終え、「何もできなかった…」とうなだれた。

 誰もが認める潜在能力を、最大限に生かすための課題は明確だった。「けがをしない体をつくることがまずは一番」。長期のリハビリ中に勉強した体の使い方を基に、筋力や体幹の強化はもちろん、股関節回りの可動域拡大、トレーニング後のマッサージや治療など、疲労を残さないためのケアにも注力した。3月下旬、練習試合が一時中断となる直前に再び腰痛を発症しかけるも、準備してきたから大事には至らなかった。

 開幕延期によって生まれた時間も有効活用し、完璧なスタートを切った。本人は「去年、おととしと比べて少しは余裕があったかなと思いますが、いざ始まってみると、無観客ですけどすごく緊張しました」と笑みをこぼし、原監督は「本当は抱きしめたかったけどね。最後の最後までグラウンドで戦い続けると、本人も強い気持ちでやってくれてますので、今日の本塁打をエネルギーに変えてくれると思います」と期待した。最前線で戦い抜き、今年こそ歓喜の輪に加わる。(尾形 圭亮)

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