没後11年、「三沢光晴メモリアル」が今年は開催されない理由…金曜8時のプロレスコラム

川田利明(左)にエルボーを見舞う三沢光晴さん(2005年7月18日・東京ドーム)
川田利明(左)にエルボーを見舞う三沢光晴さん(2005年7月18日・東京ドーム)

 全日本プロレスで三冠ヘビー級王者、プロレスリング・ノアでGHCヘビー級王者だった三沢光晴さん(享年46)が2009年6月13日に亡くなってから、今年で11年。昨年はプロレスリング・ノアで6月9日に「三沢光晴メモリアル2019 in TOKYO」が東京・後楽園ホールで、命日の13日にはエディオンアリーナ大阪(第二競技場)で「三沢光晴メモリアル2019 in OSAKA」が開催されたが、今年は6月のメモリアル興行がない。

 新型コロナウイルスの影響で興行が自粛されているのはしょうがないとして、その代わりに無観客のテレビマッチが6月13日に行われるものだとばかり思っていた。今年からノアを中継しているインターネットテレビ&エンターテインメント「ABEMA」の「NOAH “GO FORWARD” powered by ABEMA」は14日の午後7時から放送される。5月24日の中継でGHCヘビー級王者の潮崎豪(38)が次の防衛戦を6月14日に行うことを宣言。そこへ齋藤彰俊(54)が現れ、挑戦状をたたきつけた。潮崎は「俺たちにしかできない、魂のGHCの戦いをやりましょう」と受けて立った。

 そう、三沢さんの最後のパートナーと、三沢さんの最後の相手が激突するのだ。三沢さん最後の試合は、2009年6月13日、広島県立総合体育館グリーンアリーナでのGHCタッグ選手権(齋藤、バイソン・スミス組VS三沢、潮崎組)だった。結果は書きたくない。

 今年はメモリアル興行どころか、メモリアルと銘打つことが軽くなるほど、重い十字架を背負った両雄が、三沢さんが創設したタイトルをかけて戦う。

 2000年8月5日に三沢さんが旗揚げしたプロレスリング・ノアは、昨年3月10日の横浜文化体育館大会からマットを三沢グリーンの緑から白に一新した。新たなオーナー企業は「NOAHは過去の栄光にすがることなく、新しく生まれ変わります。旗揚げ以降、ずっと変わることがなかった緑のリングマットやロゴマークを胸に秘め、不退転の覚悟で大改革に着手します。すべては最高のプロレスを提供するために…」と脱・三沢を宣言。さらに今年1月29日には、DDTプロレスリングを擁するIT企業のサイバーエージェント(藤田晋社長)がノアを買収し、DDTの高木三四郎社長(50)が兼任社長になった。

 昨年はメモリアル興行に限って緑のリングを復活させたが、今年はコロナ禍による無観客試合によって、6月恒例だった緑の紙テープがリングを埋め尽くすシーンは見られない。ファンと緑のリングを緑の紙テープでつなぐ「三沢光晴メモリアル」は無観客でやるべきではないのだろう。

 決戦に向け「アイアム ノア!」とあえて叫んだ潮崎豪。三沢さんの命日の6月13日ではなく、11年前に情を断って巡業を続け、福岡・博多スターレーンで潮崎が当時の王者・力皇猛を破りGHC王座を初戴冠した6月14日を今年の舞台にした意義は大きい。(酒井 隆之)

コラムでHo!とは?
 スポーツ報知のwebサイト限定コラムです。最前線で取材する記者が、紙面では書き切れなかった裏話や、今話題となっている旬な出来事を深く掘り下げてお届けします。皆さんを「ほーっ!」とうならせるようなコラムを目指して日々配信しますので、どうぞお楽しみください。

格闘技

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 バックナンバー申し込み 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請