◆練習試合 ロッテ5―11中日(9日・ZOZOマリン)
ロッテに加入した鳥谷が1軍初安打をマークした。6回から三塁の守備に就き、9回1死一、二塁に中日・祖父江の2球目を左前へ運んだ。「打ったのはツーシーム系。打席に立たせていただいている中で徐々に修正をしながら、いろいろと感じながら徐々に形が出来ているかなと思う」。5月30日の紅白戦から実戦20打席目での1軍初安打を、満足そうに振り返った。
試合前のフリー打撃では右翼席に5本以上のサク越えを披露。井口監督が「打撃練習ではかなり調子よく振っていたので、結果は別として内容はずっと良くなってきている」と話すように3月の入団から約3か月、少しずつ調子を上げてきていた。チームが活動休止となった約2か月間は無所属時代の“ブランク”を取り戻すために、独り暮らしの自宅でウェートトレーニングや呼吸のトレーニングまで、全て野球の動きを意識して行った。
球場には朝一番に訪れ、一番遅くまで練習する姿勢は今も変わらない。指揮官は「しっかりとした存在感というか、野球に取り組む姿勢を含めて、若い人たちに刺激を与えてくれている」と若手の手本としても評価した。内野のレギュラーを争う藤岡も「自分にとっては子供の時からのスーパースター。堅実な守備と打撃も勝負強くて体が強い。見て学んで分からない事はどんどん聞いて、自分の野球人生のプラスにしたい」とアマ時代から動画を見て参考にしていた憧れの選手の加入に目を輝かせていた。
チームは現在、二塁・中村奨、遊撃・藤岡、三塁・レアードがレギュラー候補だが、内野全般を守れる鳥谷の存在は大きい。「とりあえず自分に求められている役割を、自分に与えられた場面で、しっかりと出来るように準備をしていくだけです」。今季でプロ17年目を迎えるレジェンドが、本領発揮のきっかけをつかんだ。(小田原 実穂)