中山竹通を事前取材中に“追い抜いた”…カメラマンがファインダー越しに見た92年バルセロナ五輪

男子マラソンのゴール後に笑顔で話す中山竹通(左)と谷口浩美(カメラ・関口 俊明)
男子マラソンのゴール後に笑顔で話す中山竹通(左)と谷口浩美(カメラ・関口 俊明)

 スポーツ報知のカメラマンが、五輪の現場で撮影した瞬間を振り返ります。ファインダーを通して被写体と直接向き合ったからこそ見えた五輪史に残る名場面や、選手が見せた、ふとした表情。毎月1大会を紹介する企画の第1回は、1992年バルセロナ五輪。

 男子マラソンが五輪のフィナーレを飾った。森下広一が銀メダルに輝いたが、4位の中山竹通、8位の谷口浩美には悔しいレースとなった。ソウル五輪に続く4位入賞となった中山は残り100メートルで追い抜かれ、2秒差でメダルを逃した。しかし、レース後の表情は爽やかだった。「ソウルの時はもう一回やらなくちゃという気持ちだったけど、今はどっちでもいいです」。第一線を退くことを決意していたからだった。

 五輪1年前、バルセロナで中山を“追い抜いた”ことがある。柔道の世界選手権の取材で滞在していた91年7月、五輪に備えて中山がコース視察に訪れたのだ。

 「街を試走するらしいから探して撮ってくれ」。日本の本社から突然の取材依頼を受けたが、居場所の情報はなし。何となく市内を探索していたら、約30メートル先にあるホテルの入り口にトレーニングウェア姿の日本人を発見した。

 近づく私の姿を見つけると反対方向にスタート。カメラを2台持っていることもあり、姿は遠のくばかりだったが数分後に撮影に成功した。どうして追い抜けたのかというと…。中山は赤信号で止まっていたのでした。(写真部・関口 俊明)

 ◆バルセロナ大会めも 柔道では男子71キロ級の古賀稔彦と78キロ級の吉田秀彦がそろって金メダル。日本選手団の金メダルは競泳・岩崎と合わせて3個。この大会から正式種目となった柔道女子は48キロ級で当時16歳の田村亮子が銀メダル。陸上では400メートルで高野進が五輪短距離の日本勢として60年ぶりの決勝進出となる8位入賞。また、プロ選手の参加が全面解禁され、バスケットボール男子の米国がNBA選手によるドリームチームで金メダルを獲得した。

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