【2017年6月8日】巨人13連敗! 担当記者は裏GM!? 期待を込めた原稿は裏目に…

2017年6月8日、巨人は西武に敗れて球団史上ワーストの13連敗を喫した
2017年6月8日、巨人は西武に敗れて球団史上ワーストの13連敗を喫した

 負の連鎖が続く巨人に、西武打線がようしゃなく襲いかかった。12連敗で迎えた西武Dでの3連戦3戦目。その年2度目の先発となった池田が初回に1点を先制された。報道陣が集う記者室では「今日もダメかあ」と、早くも嫌な空気が漂った。3回に6点を失うなど5回までに12失点。球団史上ワースト13連敗は、ゲーム中盤でほぼ決まった。

 当時、巨人担当の現場責任者(キャップ)だった私は、後輩記者に指示した。「右翼席の巨人ファンを取材してきてくれ」「どんな厳しい言葉でも読者にしっかり届けよう」―。約1時間後、予想だにしない言葉が返ってきた。

 「クルーズ使えって推薦したのは報知新聞だよな。責任取れよ。全然打たないじゃないか。キャップをここに呼んでこい」

 事の始まりは6連敗目となった5月31日、楽天戦(KOBOパーク)。0―6の完封負けを喫し、私は敗戦原稿を書いた。相手の2番・ペゲーロに右翼場外に運ばれ、3番・ウィーラーには2戦3発、4番・アマダーにも2安打許した。一方の巨人はそこまで13戦一発なし。破壊力の差が歴然で、だから「クルーズを昇格させてみてはどうか」と提言したのだ。

 2軍で8発という好調の裏付けがあった。「力には力を!」の考えから生意気承知の原稿も、これが裏目に出た。2日後の6月2日、オリックス戦(東京D)で、由伸監督はクルーズを昇格させた。1、2軍間で計8人の大幅入れ替えとなったが、目玉のクルーズがその試合で5打数無安打。その後も助っ人から快音は聞かれなかった。ファンの期待はため息、そして怒りへと変貌し、「キャップ呼んでこい」につながったのである。

 最近になって、由伸氏に当時の話を聞いた。ケガ人が多発し、先発投手を探すだけでも苦労した時期だったが、前監督は一切言い訳をしなかった。ただ、原稿の内容に触れると「クルーズはお前が書いたから昇格させたわけじゃない。当たり前だろ」と怒られた。あまりにも昇格のタイミングが良すぎたことで、ファンの間では「報知のキャップは裏GMか」とまでささやかれていたのだ。

 何とか勝ってほしい、という心からの願いを原稿に込めた“あの時”。今でも「クルーズさえ打ってくれていれば」と思う時がある。由伸監督にとっては苦しい13日間だったが、記者にも忘れられない、苦い経験となっている。(08~18年 巨人担当・水井 基博)

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