静岡県の高校初、東海大静岡翔洋女子硬式野球部始動…男子と同じ縦じまユニで1年生3人娘が歴史作る

3人で始動した東海大静岡翔洋高女子野球部
3人で始動した東海大静岡翔洋高女子野球部
弓桁監督(左から2人目)が見守る中、スリッパでキャッチボールするナイン
弓桁監督(左から2人目)が見守る中、スリッパでキャッチボールするナイン

 今年度発足した東海大静岡翔洋高の女子硬式野球部が2日、始動した。県内高校初の女子硬式野球部は当初、来春からの活動を想定していたが、新1年生3選手が入部し予定を早めてスタート。東海大一中を率いて全国制覇した経験を持つ弓桁義雄監督(56)の下、ランニングやキャッチボールで約2時間汗を流した。部員募集も進めており、11人そろえば公式戦の出場も可能となる。

 待ちに待った一歩目を踏み出した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で遅れていた“初日”。弓桁監督は「今日は基礎から」と、三保の浜辺3キロ走から命じた。その後もショートダッシュ、キャッチボール、ティー打撃、ノックなどメニューが約2時間続いた。3人は「きつかった」と肩で息をしながらも、表情には充実感を漂わせた。

 1期生の主将を託された斉藤美咲は御前崎中ソフト部でもキャプテンを務めていた。当初は男子野球部のマネジャー希望だったが「野球ができるならやりたい」と自らプレーする道を選んだ。広島・菊池に憧れ、二塁手を志望する。女子硬式野球の公式戦は人数がそろえば、全国大会にも出場が可能だ。「まずは人数を集めて全国に行きたい。明るく野球を楽しめるチームにしていきたい」と所信表明した。

 岡村妃菜は焼津港中・小川中の軟式野球合同チームで男子と一緒にプレーしてきた。一塁と外野を兼任してきたが、高校では投手にも挑戦する。ティー打撃では鋭い打球を連発し、「自分が持っている技術や知っていることを2人と共有できれば」と唯一の野球経験者として引っ張っていく。

 中村めいは野球未経験だが東海大一中、東海大工高、東海大と野球の名門一筋で歩んだ父・友樹さんの後に続くため入部を決めた。中学ではバレー部。「バレーでも顔にボールが当たることはあった」と、怖がることなく硬球と向き合っている。東海伝統の縦じまのユニホームに身を包み「父の姿に重なればいいですね」とほほえんだ。

 東海大系列でも女子野球部創設は初という。打撃ケージは学校が用意してくれたが、グラウンドは自分たちで草取りなどをして、整地した。ベンチも技術家庭科教員の弓桁監督の手作りだ。今後は週6日ペースで練習を重ねていく。指揮官は「すごく前向きにやってくれている。いつかこの縦じまが全国で活躍する姿を見たいね」。斉藤主将も「東海ブランドに恥じないプレーをしないといけない」と誓った。“翔洋3人娘”の挑戦が始まった。(武藤 瑞基)

 ◆斉藤 美咲(さいとう・みさき)2004年7月21日、御前崎市生まれ。15歳。同市立白羽小、御前崎中を経て東海大静岡翔洋に進学。153センチ、48キロ。右投左打。家族は両親と弟、妹。

 ◆岡村 妃菜(おかむら・ひな)2004年7月28日、焼津市生まれ。15歳。港エンゼルスで野球を始め、中学時代は焼津港中・小川中の合同チームでプレー。164センチ、53キロ。右投右打。家族は両親と兄。

 ◆中村 めい(なかむら・めい)2005年2月23日、焼津市生まれ。15歳。焼津南小、焼津中を経て東海大静岡翔洋に進学。152センチ、50キロ。左投左打。家族は両親と姉、妹。

 ◆スリッパでキャッチボール特訓
 弓桁監督は基本を徹底させるため、グラブ替わりにスリッパでキャッチボールさせる特訓も取り入れた。親交がある元PL学園監督・中村順司氏(73)から学んだ方法で「面を向けることが大事。優しく卵を捕るように」などと丁寧に指導した。休校期間中は走る際の姿勢など基礎知識をまとめた資料も作成して配布。選手の“頭”も同時進行で鍛えていく。

 ◇高校女子硬式野球の公式戦 夏の選手権は97年8月に都内で初開催された。19年度は32チームが出場し、作新学院(栃木)が初優勝。春の選抜大会は00年に創設された。19年度は26チームが出場し、神戸弘陵が2度目の優勝。両大会とも埼玉栄が最多優勝(選手権7度、選抜6度)を誇る。秋のユース選手権は10年度から。19年度は24チームが出場し、福井工大付福井が初優勝。今年度の選手権は新型コロナウイルスの影響で中止となり、秋に代替大会を予定。

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