【メディカルNOW】新型コロナ、緊急事態宣言前後で何が違うの?

「緊急事態宣言」が全面解除となり、人が行き交う渋谷スクランブル交差点(5月26日)
「緊急事態宣言」が全面解除となり、人が行き交う渋谷スクランブル交差点(5月26日)

 緊急事態宣言が先週、全国で解除されたが、北九州市で連日感染者が確認され、東京都でも感染者が増加傾向にある。再流行(第2波)が懸念されている。

 考えてみれば、緊急事態宣言が出る前と解除された後も対策は変わらない。つまり人との接触を減らし、感染が疑われる人がいたらPCR検査で感染を確認し、周辺の濃厚接触者も調べて、感染者を入院・隔離する方式だ。これでは休業要請などを緩和して人との接触が増えれば感染者が増えるのは当然の成り行きだ。

 事態を好転させるには「新手」が必要だ。その一つが大規模なPCR検査だ。現状の対策は「モグラ叩き」にたとえられる。顔を出したモグラ(症状がある感染者)は叩けるが、顔を出さないモグラ(症状がない感染者)は見逃される。新型コロナが厄介なのは、感染しても無症状の人が3割ほどいて、無症状でも周囲の人に感染させることだ。

 潜在感染者を見つけるには、希望者全員を検査すればよい。今は最大で一日2万人といわれるPCR検査を10倍の20万人に拡大する。こうして顔を出さないモグラを見つけ出せば、感染のリスクを下げることができる。

 PCR検査数を増やす方法がある。今は1人ずつ鼻粘膜を採取して調べているが、鼻粘膜の10倍のウイルスがいる唾液を採取して調べる。唾液を1人ずつ検査機にかけるのではなく10人分をまとめて検査する。10人分の検体が陽性反応を示したら、次に1人ずつ検査して感染者を特定する。これで検査能力が今の10倍近くに増やすことができる。

 発想を転換して、PCR検査は症状のない感染者の発見を目的にすれば、感染リスクを減らして、以前のような日常生活に安心して近づけるだろう。(医療ジャーナリスト・田中 皓)

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