ロイヤルズGMの未来を見据えた信念「1人のマイナー選手もリリース(解雇)しない」

ロイヤルズのデイトン・ムーアGM(ロイター)
ロイヤルズのデイトン・ムーアGM(ロイター)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、開幕が長期延期で経営停止状態の大リーグは、職員の減給、傘下のマイナーリーグ選手を解雇する球団も出てくる中、ロイヤルズのデイトン・ムーアGM(53)が29日(日本時間30日)、地元メディアとの電話会見の中で、「誰一人としてマイナー選手を解雇しないことは非常に重要なことだ」と語り、大きな反響を呼んでいる。

 ツイッターに拡散された投稿によると、同GMは「誰も知らないマイナー選手、ルーキーリーグや1Aリーグから1度も昇格できなかった選手というのは、10年、15年とメジャーでプレーしたベテラン選手同様に、野球界の進展に影響を及ぼす可能性を秘めている。そういった人材が、地域で野球を指導し、大学の指導者となり、スカウトやプロのコーチになって、日常的に野球界を成長させている。なぜなら、彼らには強い情熱があるからだ。だから、我々は、今この時期に、1人のマイナー選手もリリース(解雇)しないことが、とても、とても、重要なことだと考える。今は彼らを支援すべき時だ」と語ったようだ。

 ジョージメイソン大のコーチを経て、ブレーブスのスカウトに転じ、ブレーブスのGM補佐を経て2006年からロイヤルズのGMに抜擢された、たたき上げの苦労人。青木宣親外野手(現ヤクルト)が在籍していた2014年にア・リーグ優勝、翌年ワールドシリーズを制するなど、実績が高く評価されるムーアGMの人材理念が溢れたパワフルなメッセージは、野球を愛する人々に大きく響いたようで、多くの野球記者、ファンがリツイートや「いいね」で反応。

 チームの看板選手のメリーフィールド内野手も「球場の内外で理解ある人のためにプレーすることを誇りに思う」とツイッターに投稿した。この日はレッドソックスが22人のマイナー選手との契約を解除したとも報じられ、他球団でも解雇や給与停止などが伝えられている。ロイヤルズはメジャー30球団の中でも市場規模が小さく資金源に乏しい球団と言われるが、コロナ禍という前例のない危機に、野球の底辺を支える人々の情熱を大切にする球団トップのリーダーシップは頼もしい。

 一村 順子(メジャー通信員)

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