阪神・藤浪晋太郎投手(26)が29日、前日28日の練習に遅刻したため2軍に降格した。矢野監督が「練習に遅刻してきたんで、昨日。新たにみんな頑張ろうという中で練習に遅れてくるというのはこっちとしてもすごく残念やし、全体の信頼を失うようなことだった。ここ(1軍)にいてみんな同じ気持ちでやっていくのが難しいという判断。人なんでミスもあるけど、これが初めてじゃないので」と明かした。
開幕ローテ入りは絶望となった。3月26日に球界初の新型コロナウイルス感染が判明した右腕は約1か月の入院と自宅待機生活を経て4月24日に2軍の自主練習に合流。5月19日に甲子園練習に参加すると、同24日のシート打撃では打者5人から4つの三振を奪う快投を見せた。67日ぶりの実戦マウンドでアピールに成功し、矢野監督も「躍動感ある投球だった」などと高く評価していた。
昨季7年目で初の未勝利に終わり、雪辱に燃えていた今季。6月19日からの開幕に向けて2日からは練習試合が始まる見込みだが、今後は2軍施設の鳴尾浜で再出発となる。感染から復帰し「(迷惑をかけた分は)野球のプレーで取り返すしかない」と話していた藤浪だったが、痛恨の事態に陥った。
◇藤浪の新型コロナウイルス感染と以降の経過
▽3月14日 感染経路と疑われる大阪市内の知人宅での会食に参加
▽同21日 匂いを感じにくい等の自覚症状を訴える
▽同26日 大阪府内の病院で受診後にPCR検査を受け、陽性判定
▽同27日 大阪府内の病院に入院
▽4月7日 同病院を退院して自宅待機
▽同23日 兵庫・西宮市内の球団施設で会見、会食参加に「軽率だった」と反省
▽同24日 2軍施設・鳴尾浜球場で自主トレを開始
▽5月19日 甲子園での分離練習に合流
▽同24日 シート打撃で67日ぶり実戦マウンド。打者5人から4奪三振
◆藤浪 晋太郎(ふじなみ・しんたろう)1994年4月12日、大阪・堺市生まれ。26歳。大阪桐蔭高では3年時に甲子園春夏連覇。4球団競合の末、12年ドラフト1位で阪神入団し、翌13年、高卒新人ではセ・リーグ46年ぶりの2ケタ勝利を挙げる。15年に最多奪三振。昨季は7年目で自身初の未勝利に終わった。通算成績は128試合に登板し、50勝40敗、防御率3・25。197センチ、100キロ。右投右打。年俸6300万円。独身。