飯塚翔太、NTC利用再開「家に帰ってきた、ただいま~という感じ」ゆったりペースで100メートル5本走った

NTCで練習を再開した陸上男子短距離の飯塚
NTCで練習を再開した陸上男子短距離の飯塚
オンラインで心境を語った飯塚
オンラインで心境を語った飯塚

 16年リオ五輪男子400メートルリレー銀メダルの飯塚翔太(28)=ミズノ=が28日、利用再開となった東京・北区にある拠点の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)での練習を再開した。新型コロナウイルス感染拡大を受けた外出自粛要請などの影響で、タータン(トラック表面のゴム)の上を走るのは約1か月半ぶり。オンライン取材に応じ「初めてプールに入った子どものようなうれしい気持ち」と率直な気持ちを吐露。今後は選手たちにPCR検査などを定期的に行うことも提言した。

 飯塚の心は少年のように躍った。午前10時。この日から利用再開となったNTCの陸上トレーニング場に足を踏み入れ、息を吸った。「タータン(ゴム)のにおいが懐かしい」。100メートル5本。自己ベスト(10秒08)より2~3秒遅い、ゆったりしたペースで走った。練習後は、靴を脱いではだしで歩いてみた。「感触が懐かしい。家に帰ってきた、ただいま~という感じで。初めてプールに入った子どもみたいな、そんなうれしい気持ち。(地面の反発が強く)足の負担が全然違う」と声が弾んだ。

 選手の強化拠点であるNTCは新型コロナ禍で4月8日に閉鎖された。飯塚は約1か月半の自粛期間、可能な練習を地道に積んだ。「心は折れなかった」。居間の家具も、持ち上げれば練習器具に早変わり。「机や椅子は“スタメン”でした」。心も鍛えた。今月中旬のオンライントークショー(ザスタジアム主催)では、自室の壁に向かい自問自答したことも明かした。「自己紹介をすると、やっぱり自分の強みを言う時(言葉が)つまる」。186センチの長身で伸びやかな走りに、リーダーシップが魅力の飯塚。長所を自覚するのも成長には不可欠だと気づけた。

 NTCは緊急事態宣言解除を経て27日に個人利用再開となったが、移動時の公共交通機関利用禁止、コーチやトレーナーの帯同不可など制約は残る。この日利用した陸上の4選手は互いの距離を意識。練習前の検温も必須だ。飯塚は「可能な範囲でPCR検査などを定期的にして、本当に大丈夫なのか知りたい。普段ドーピング検査を受けるのと同じ感覚で」と提言した。

 今季は国際大会の開催も不透明で、10月に延期開催される予定の日本選手権が現段階での大目標となる。「一番は、レースをしたいという気持ち。五輪へ、関係者とお客さん全員で『スポーツは欠かせないよね』というふうにしたい」。ダイナミックな走りで観客を魅了する日が、ただただ待ち遠しい。(細野 友司)

 ◆飯塚に聞く

 ―4月上旬以来のトラックでの練習になった。

 「元気で走れるのに、こんなにトラックで走れないのは初めてだった。(自粛期間は)自分の走りを(映像で)見たりして過ごしてきた。技術の改善や、その先の成長は、やはりトラックの上じゃないとできない。感覚が全然違うので、これから慣らしていかないと」

 ―当面の課題は。

 「どれくらいで状態が戻るかは、初めてのことなので分からない。接地のタイミングや足をつく位置、走りの感覚、リラックスした走りだったりを取り戻したい」

 ―自粛期間を経ての変化などで、感じる部分は。

 「筋力が減るのと、体が白くなった。モチベーションは常に高い状態でいる。あとは、家にいる時間が多かったから、植物が増えたり、料理器具の鍋が増えたりとかも…」

 ◆飯塚 翔太(いいづか・しょうた)1991年6月25日、静岡・御前崎市生まれ。28歳。小学3年から競技を始める。浜岡中―藤枝明誠高―中大。12年ロンドン五輪代表。14年ミズノ入社。男子400メートルリレーで16年リオ五輪銀、17年ロンドン世陸銅。自己記録は100メートルで10秒08、200メートルは20秒11。186センチ、80キロ。

 ◆ナショナルトレーニングセンター(NTC) 国立スポーツ科学センター(JISS)とともにJSCが管理する。JISSは2001年10月、東京・北区に開所。競技団体や研究機関と連携し、トップ選手のパフォーマンス向上を担う。NTCは、JISSに隣接する敷地に08年1月にオープン。トップ選手の強化育成拠点として、地上3階、地下1階の屋内施設には柔道、体操、レスリング、バドミントンなどの専用練習場があり、陸上トラックと屋内テニスコート、宿泊棟も備える。19年6月には五輪、パラリンピック共用で、水泳や卓球などの専用練習場が整備された「NTCイースト」も完成した。

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