【2019年5月28日】楽天が球団初、パ・リーグ29年ぶりの三重盗を記録 その裏側にあった真実と辰己涼介から感じ取ったプロ魂

辰己涼介
辰己涼介
2019年5月28日 楽天7―2西武 7回2死満塁、投手・平井克典が二塁に牽制球を投げる間に本塁への盗塁を成功させる三塁走者の島内宏明。捕手は森友哉
2019年5月28日 楽天7―2西武 7回2死満塁、投手・平井克典が二塁に牽制球を投げる間に本塁への盗塁を成功させる三塁走者の島内宏明。捕手は森友哉

◆2019年5月28日 楽天7―2西武(盛岡)

 平成の最後から令和のはじめにかけて、2019年シーズン序盤のパ・リーグの主役は、間違いなく楽天だった。開幕前に則本昂、開幕戦で岸と、ダブルエースをともに故障で欠きながら、前年の監督代行から昇格した平石監督に率いられたチームは、泥臭く、しぶとい戦いで逆転勝ちを連発。「逆転の楽天」、「逆転イーグルス」とも呼ばれた。そして、この日もそうだった。

 シーズン26勝目を実に17度目となる逆転勝ちで飾ったこの試合、0―2で迎えた7回に、6回まで無安打に封じられていた西武の先発・今井に4安打を集中して3点を奪い、KO。その後、なお2死満塁とし、打者・今江がフルカウントになったところで問題のプレーが起こった。

 二塁走者のドラフト1位ルーキー・辰己は、リードの幅をそれまでより広げた。そして、西武の3番手・平井が逆モーションのけん制球に逆を突かれた。だが、三塁走者の島内はすでにスタートを切っており、けん制球を受けた二塁手の外崎があせって本塁に悪送球。ボールが転々とする間に、二塁走者の辰己も生還し、一塁走者の茂木も三塁へ。貴重な2点を加点したのだ。

 当初は島内の本盗だけが記録されていたが、後日、公式記録が訂正。楽天にとっては初、パでも90年のオリックス(対近鉄戦)以来、29年ぶりとなる三重盗が記録されたのだが、トリックプレーに見えたこのプレーが、実にややこしかった。

 辰己は「まさかけん制球が来ると思ってなかった。集中が足らんかった。ホンマにしょんべんチビりかけました」と猛省。一打でホームを狙う意識が強すぎた自身のボーンヘッドがきっかけで生まれた偶然のプレーであったことを明かしたが、真実は違っていた。

 球団関係者に確認したところ「確実にサインは出ていた。辰己がけん制をもらう間に島内がホームを突くプレーだった」と教えてくれた。ただし、こうも言った。「辰己がもらう予定だったのは、通常ターンのけん制。逆モーションは頭になかったはず」。つまり、サインプレーではあったが、辰己のミスでもあった―ということだ。

 並のルーキーであれば、保身も兼ねて「あれはサインが出てたんです」と言ってしまいそうなところだが、辰己はサインの存在を隠した上で自分のミスが原因だったと言った(実際にミスでもあったのだが)。入団時からひょうひょうとした言動が目立っていたが、この時、辰己が本当の意味でプロ野球選手になったんだな、と感じた。

 1年目は体力不足もあって不本意な成績に終わったが、肩、足を含めた身体能力は球界トップクラス。今季は2年目のブレイクを期待している。(19年楽天担当・片岡 泰彦)

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2019年5月28日 楽天7―2西武 7回2死満塁、投手・平井克典が二塁に牽制球を投げる間に本塁への盗塁を成功させる三塁走者の島内宏明。捕手は森友哉
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