長嶋茂雄・終身名誉監督 プロ野球6・19開幕決定で「戦後の日本を元気づけたように」選手たちがハッスルプレーでファンを魅了することを願う…特別寄稿

昨年9月に東京ドームを訪れた長嶋茂雄終身名誉監督
昨年9月に東京ドームを訪れた長嶋茂雄終身名誉監督
予想開幕カード
予想開幕カード

 プロ野球の6月19日開幕決定を受け、巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(84)=報知新聞社客員=が自宅で吉報を聞き、心から喜んだ。本紙に特別寄稿し、巨人には「絶対優勝という強い気持ちで臨んでほしい。ハッスルプレーでファンを魅了し、世間をより明るくしてほしい」と願った。

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 ようやく、スタートラインが見えた。6月19日、待ちに待ったプロ野球が開幕する。テレビをつければ野球が見られる、そんな楽しい日々が帰ってくる。まだ、新型コロナウイルス感染拡大の不安が消えたわけではない。でも選手には、思う存分に暴れ回ってほしい。明るい話題が少なかった世間に光を照らし、夢や希望を与えてほしい。そういう力がスポーツに、プロ野球にはあると信じている。

 最初は無観客での開催となるようだ。今は我慢の時である。日本中が「ONE TEAM」となり、この危機的状況と闘ってきた。私も自粛期間はずっと自宅にいた。一日に3回は廊下を歩いたり、かつて松井(秀喜)の素振りを指導した地下室でトレーニングもした。ただ、テレビをつけてもスポーツのない実情は悲しかった。

 高校球児によるセンバツ大会がなくなり、インターハイ、大相撲、ゴルフ、大学野球選手権や夏の甲子園まで中止になった。東京五輪も延期になり、選手、関係者の苦悩を思うだけで心は痛んだ。コロナは皆の夢まで奪ったのだ。本当に、憎い。医療現場で必死に立ち向かう多くの医療従事者のためにも、あと少しの辛抱である。

 過去に例のないシーズンになる。困難な状況が当分は続くことも予想され、だからこそ我が巨人軍には「絶対優勝」の強い気持ちで臨んでもらいたい。戦後の日本を元気づけたように、常に球界の中心にはジャイアンツがいた。ハッスルプレーでファンを魅了し、世間をより明るくしてほしい。昨年の日本シリーズで4連敗したソフトバンクにも雪辱しないといけない。

 投手陣が課題になる。柱の菅野を中心に、サンチェス、田口、戸郷、鍬原と、あと3人は計算できる先発が必要だ。シーズン120試合制となれば、厳しい日程が予想され、ローテ投手は計8人くらいほしい。個々の好不調がチーム成績を大きく左右するため、ローテ投手の入れ替えも積極的に行うべき。今年は例年以上にチーム力が問われると見ている。

 打線では、岡本が真の4番に飛躍する。昨シーズン終盤、スイングから自信を感じた。本紙コラムに「日々の努力も怠らなければ、松井秀喜のような世界でも戦えるバッターへと成長できる」と記した。この調整期間では緩い球を打つなどテーマを持って臨んでいる。点がほしい場面で必ず打ってくれた松井のような、恐ろしいバッターになる予感がする。

 開幕カードは歴史と伝統の刻まれた「GT決戦」になるようだ。私自身、思い出は尽きない。最初に思い出すのは1959年6月25日、天覧試合でのサヨナラホームラン。68年には相手投手バッキーによる王さんへの危険球を巡って乱闘騒ぎになった試合だ。私は3ランを打ってチームは勢いづき、V4へと加速したんだ。白熱必至の開幕カードになるだろう。一日も早く東京ドームに行き、スタンドを埋め尽くす巨人ファンとともに、喜びを分かち合いたい。これが、今の願いである。(報知新聞社客員)

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