阪神の矢野燿大監督(51)が23日、新型コロナウイルス感染から復帰した藤浪晋太郎投手(26)を開幕ローテーション候補にリストアップしていると明かした。兵庫・西宮市内でオンライン取材に対応。「期待はみんなにしている。競争からはい上がってきた選手を使う中での晋太郎なんで。(他の選手と)同じように見ていきます」とハッパをかけた。
競争を促せるのも、状態が良好だからこそ。右腕は3月26日に感染が判明。大阪府内の病院に入院するなど、球団施設での本格的な練習再開に至ったのは4月24日だった。それだけに、コンディション面が心配されたが「今の段階で遅れとか、体力面の不安は全然、感じていない。順調にいけるかな」と指揮官。これまでに投球練習も確認し、し烈な争いにその名を加えた。
現状、先発ローテは開幕投手に改めて指名した西勇以外は流動的。チームは3月25日の練習試合を最後に実戦から離れており、「(当初の構想から)大きく変わることは考えにくいけど、この期間の状態を見ながら」と説明した。「たくさんの方々にご迷惑をおかけした。野球のプレーで取り返すしかない」と決意をにじませている背番号19にとっても、今後のアピールが重要になってくる。
この日、甲子園で1軍全選手が集合しての練習が再開。矢野監督は青空ミーティングを開き「目指すところは変わらない。日本一になる。ファンのみなさんにパワーを与えたい」などと熱く語りかけたという。85年以来の日本一には藤浪の復活も不可欠。サバイバルを勝ち抜き、0勝の昨季から巻き返す姿を待ち望んでいる。(小松 真也)
◆藤浪の新型コロナウイルス感染と以降の経過
▽3月14日 感染経路が疑われる大阪市内の知人宅での会食に参加
▽同21日 匂いを感じにくい等の自覚症状を訴える
▽同26日 大阪府内の病院で受診後、PCR検査を実施し、陽性判定
▽同27日 大阪府内の病院に入院
▽4月7日 同病院を退院して、自宅待機
▽同23日 兵庫・西宮市内の球団施設で会見。会食参加に「軽率だった」と反省
▽同24日 2軍施設・鳴尾浜球場で自主トレを開始
▽5月19日 甲子園での分離練習に合流