甲子園中止にスカウトも無念 オリックス牧田勝吾編成部副部長「思いは痛いほど分かる」

昨年のドラフトで紅林(右)を2位指名したオリックスの牧田編成部副部長
昨年のドラフトで紅林(右)を2位指名したオリックスの牧田編成部副部長

 昨年までチーフスカウトの肩書きだったプロ野球・オリックスの牧田勝吾編成部副部長(46)=島田商高=が、無念さをにじませた。例年、金の卵の発掘に通っていた甲子園のバックネット裏に今年は、足を運べなくなった。センバツに続いて選手権が中止。野球界の先輩として、夢の舞台で戦えなくなった球児たちへエールを送った。

 「生命にかかわるぐらいの大きなことで、大会を中止にせざるをえなかったということ。3年生には将来、同じようなことが起きた時、僕たちも乗り越えたから、みんなも頑張ろうって、言える人になってほしい」。

 プロ野球界で、高校野球と接する機会が最も多いのがスカウト。経歴が長くなればなるほど、人脈は広がり、関係性は濃くなっていく。「監督、選手、父母の最後の夏にかけてきた思いは、痛いほど分かる」。だからこそ、今回の決定はつらかった。

 もちろん、自身の仕事にも大きな影響を及ぼしている。緊急事態宣言で自宅のある埼玉での自粛生活を余儀なくされた。昨季までは地元・静岡のほか関東地区を担当。今年から編成部副部長に“昇進”して、自身の担当地区はなくなったが、各地区のスカウトとともに、全国各地を飛び回る予定だった。今は、SNSで有力選手の動きをチェックするなど、自宅でできることを行っている。

 スカウト生活11年で、これまで担当した指名選手は38人。そのうち、県内は昨年2位で指名した紅林弘太郎内野手(18)を含めて3人だ。全員、甲子園出場経験はない。自身の高校時代も県2回戦で敗れた。「悔しさがあったから、大学(愛知学院大)に行ってプロを目指そうと思った。きのう、きょうで目標設定を変えるのは難しいだろうけど、一日でも早く、次に向かって進んでほしい」。27歳でドラフト指名された遅咲きの男が、球児が再び、夢に向かう姿を待っている。(塩沢 武士)

 ◆牧田 勝吾(まきた・しょうご)1974年4月13日、藤枝市生まれ。46歳。島田商から愛知学院大に進学。日本通運名古屋に入社したが、統合されて日本通運へ移籍。01年ドラフトでオリックスから11巡目に指名された。180センチ、76キロ。右投右打。

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