TBS「グッとラック!」画家・中島健太氏「ポピュリズムに寄りすぎない」ワイドショー発言で気を付けていること

中島健太氏
中島健太氏

 新型コロナウイルス、政権の混乱―。情報収集のためテレビのニュース番組が再び注目を集めているが、民放各局のワイドショーで誤報が相次ぐ問題も起こっている。TBS系情報番組「グッとラック!」(月~金曜、前8時)の木曜コメンテーターを務める画家・中島健太氏(35)にテレビ会議アプリ「Zoom」で取材。ワイドショーの現状やコメンテーターとして発言する上で気を付けていることなどを聞いた。

 現在、中島氏は「グッとラック!」にリモート出演中。緊急事態宣言発令後の4月9日の放送ではアクリルパネルを活用して収録していたが、テレビ朝日系「報道ステーション」のメインキャスター・富川悠太アナウンサー(43)が、同11日に新型コロナウイルスの陽性反応が出たこともあり、リモート出演に切り替わった。

 「富川さんがコロナに感染してからは、いっきにテレビ局の緊張感が高まりましたね。僕もTBSまでは行くけど、対策をした状態で各個室から出演している。放送前の30~40分の打ち合わせもソーシャルディスタンスを取った状態で行っています。(MCの)立川志らく師匠とも全く会っていないですね。テレビの向こう側の人です」

 安全を考慮してのリモート出演だが、リモートならではの難しさも感じているという。

 「現場だと師匠と目線が合うけど、リモートはその場の空気感が読み取ることができない。突発的に話に入ることが難しい。予定調和になりがちで、回数を重ねていかないと難しいですね」

 中国の春節にあたる1月下旬頃から新型コロナウイルスに関する報道が活発化した。大型イベントの延期・中止、学校の休校措置、緊急事態宣言発令、解除―。日々変わる事態や、新型ウイルスに関するコメントを求められる上で気を付けている点とは。

 「事態が刻々と変化していくので、とにかくデマだけ流さないこと。新型のウイルスということで、疫学者、医療関係者でもコメントが割れることがある。さらに疫学と経済学ではコロナの見え方も変わってしまう。双方の話を聞いて、自分がどう考えるかを大切にしています」

 もう一点、コロナ禍や政権に関する発言をする際に「ポピュリズムに寄りすぎる発言に気を付けている」という。「実際コメンテーターは政権を批判すれば誰にでもできるという揶揄(やゆ)もある。ただ安直に批判するだけでなく、自分で情報収集して頭で考え、自分の言葉を話しています」

 さらに、外出自粛を呼びかけるため多く使われた「ステイホーム」という言葉を用いることをあえて控えていたという。「『ステイホーム』はあくまでセレブの言葉。その言葉を無意識に言うことで、職を失う個人もいる。傷つく人もいる。簡単に使えない言葉だった」と葛藤したという。

 社会的弱者に寄り添い、発言に気を付ける。中島氏の発言はSNS上で「しみる」「ステキな言葉」と支持を集める。一方、番組を見ていた視聴者から「画家がしゃべるな」と、批判されることもあるという。

 「批判されることは仕方ない。ただ、批判する方は正解がほしいのかなと思っています。新型のウイルスには分からないことが多い。今一番大事なのは、自分で情報を収集し、自分の頭で考えることができるかだと思います」と力を込めた。

 また、テレビ局の報道姿勢に疑問を感じることもあるという。

 「テレビ番組が派手さを求めるのは仕方ない。視聴率をとらないと番組の存続に関わる。台風報道もそう。番組報道のさがなので仕方ない。ただ、今はそれが番組のクビをしめている。過度にコロナを恐れる報道をしている。もともと感染のピークをずらす目的の緊急事態宣言が、絶対にかかってはいけない病気に世間の認識が変わってしまった。あきらかにメディアが作った空気ですけど、その空気によって広告が減ってしまった。影響が少ないと思っていたネット広告もダメージを受けているという。テレビ番組の制作レベルで無自覚なのが、怖いなと思っています。それでも、テレビ番組の視聴率がアップしている状況は皮肉ですよね」と苦笑いした。

 中島氏の本業である美術業界もコロナ禍の影響で大打撃を受けている。

 「芸術自体の存続は心配していない」と前置きした上で「社会的弱者の先頭にいるようなのが画家。個人で言えば大きなアートフェアや百貨店が機能していない状況で、今現在の作り手が失業状態。かなりコロナの影響を受けている。そもそもアルバイトや絵画教室、他の仕事を持っている人も多い。そっちの副業も止まっているので、生活ができない人もいる。オンラインショップを始めた画廊もありますが、現実にとってかわるほどではない。芸術は実際に物との出会いが大きい。ネット上だとどこまで信頼があるのか、誰かが撮った写真だと自分の目で感じることへのフィルターがかかる」と落胆。

 「弟子とかにお金を渡すことはできるが、手が離れたところには行政レベルでやっていただかないと救えない。今後全く作り手がいなくなるのか、逆に時間やゆとりができて物作りをする人が出てくるのか…」と、先行きが見えない業界の将来を案じた。

 ◆中島健太(なかじま・けんた)1984年12月10日、東京都生まれ。35歳。武蔵野美術大造形学部油絵学科の3年生の時にプロデビュー。2009年に日展に初出展。初出展としては最年少で特選を受賞した。18年にベッキーや新川優愛をモデルとした絵を制作。写真と見間違えるほどの高い技術とぬくもりを感じる作風が大きな反響を呼んだ。19年TBS系連続ドラマ「4分間のマリーゴールド」の絵画監修を担当。「グッとラック!」の番組ポスターを手がけた。

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