【阪神】藤川球児、甲子園中止球児にエール「強い絆で頑張っていける」社会人の準備できず心配も

自主練習を行った藤川。高校球児にエールを送った(球団提供)
自主練習を行った藤川。高校球児にエールを送った(球団提供)
第79回全国高校野球選手権大会で力投した高知商・藤川
第79回全国高校野球選手権大会で力投した高知商・藤川

 阪神・藤川球児投手(39)が21日、大きな目標を失った全国の高校球児へエールを送った。甲子園での練習後、オンライン取材に初対応。夏の甲子園中止を受け、厳しくも愛のある言葉で激励した。

 「社会に出れば日々戦いが待ち受けている。今は涙を流していても、仲間で支え合って、これから社会に出ても、ある意味普通に大会が行われた時よりも強い絆で、頑張っていけるんじゃないかと思います」

 自身は高知商2年夏の甲子園に出場。これが最初で最後の聖地だった。

 「子どもの時からプライベートを捨てて部活動に取り組んできた気持ちを忘れないように、さらに強い気持ちにしていくという自分への試練。学校生活が取り戻された時、模範となる生徒であることを願います」

 夢破れた悔しさも、人として成長する糧になると強調した。

 新型コロナウイルスの感染拡大で開幕は延期されているが、かつてあこがれの地だった甲子園での戦いは今季、例年以上に特別なものになる。「野球の聖地と言われるところで野球をさせてもらっていることを感じている。かみしめるように練習させてもらっています」。開幕後も当面は無観客での開催になる見込みだが、球場に来られないファンの思いも背負って戦いに臨む決意だ。

 大阪など関西3府県の緊急事態宣言もこの日解除され、最短6月19日の開幕が少しずつ見えてきた。チームは3月26日に活動停止。球団施設が開放された4月15日まで約3週間の自主調整を余儀なくされたが、右腕はすでに登板できる状態に仕上げている。「調子は二の次、三の次。責任ある行動で、気持ちの高ぶりもすべていい方向に持って行かなければならない。プロとしての本質が問われるシーズンになると思います」。日米通算250セーブまで残り7。藤川はその右腕で、プロの誇りと責任感を示す。(中村 晃大)

 ◆球児に聞く

 ―夏の甲子園中止

 「世の中に出ればたくさんのことが起こる中でどう立ち上がるか。コロナは誰かの責任ではない。今回の大会が行われなかったことも、誰か個人の責任にしてはいけない」

 ―甲子園でプレーできることはより意識する

 「元々そういう気持ちでやってましたけど、タイガースでプレーする選手に限ってはそこは持っておかなければいけないと思う。甲子園球場を本拠地として戦うということは、他球団の選手とはまた違う意味で、この球場は大事に大切に扱わなければいけない。今回のこと(中止)も含めて分かったんじゃないでしょうか」

 ―高校時代の経験は今も生きている

 「社会人の準備である学校生活の方がプロ野球に入ったとしても重要なところ。野球部以外で行われる生活すら今、学生たちはできていないので。そっちの方が心配ですね、本当は」

 ―日米通算250セーブ達成の瞬間も無観客になる可能性が高い

 「テレビ越しでも感動を覚えてもらえるかどうかというのは自分のプレーに全てかかっている。100%で今まで通りプレーする必要があります」

 ◆藤川の高校時代 高知商2年だった97年夏に甲子園初出場。1回戦の旭川大高(北北海道)戦の4回からマウンドに上がり、兄・順一さんとのバッテリーが実現した。6回無失点の完璧なリリーフを披露。2回戦の平安(現龍谷大平安)戦は先発で8回5失点(自責1)と力投したが、チームは川口(元オリックス)に完封負けを喫した。藤川はプロ入り後「兄貴と一緒に甲子園に出ることが実現して、野球はもういいかなという時期があった。甲子園の土も持って帰っていない」と振り返っている。3年時は春夏とも出場を逃した。

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