ソフトボール・戸田の選手がポリ袋で医療用の個人防護服7万着を作成

スポーツ報知
高原侑里主将(戸田中央総合病院提供)

 ソフトボール女子の実業団チーム・戸田中央総合病院の選手は午前中、病院の事務職員として勤務、午後から3密を避けて全体練習は自粛し、各自で練習やトレーニングに励む日々を送る。そんな中、選手は新型コロナウイルス感染防止策として、病院で不足する医療用のPPE製品(個人防護服)7万着をポリ袋で作成し、戸田中央医科グループの病院に届けている。主将の高原侑里外野手(26)が21日までに、スポーツ報知の電話取材に応じ、医療従事者として働く日々や、PPE製品の作成について語った。

 新型コロナの感染が拡大する中、多くの病院では主に看護師が患者対応時に着用するエプロンやガウン、手袋などのPPE製品の入荷が困難となり不足した。そこで埼玉・戸田中央総合病院では、ゴールデンウィーク前にソフトボール部など協力できる社員が病院側から依頼を受け、ポリ袋で使い捨て医療用の個人防護服を作成することになった。高原は「私たちも医療従事者なので、不足していることは分かっていました。資格は持っていないけど、何かしたいと思っていました」。

 ソフト部はゴールデンウィークも毎日出勤し、選手は自分が担当する部署の職務の合間をぬって交代で作成に携わった。今月末までに9万個の個人防護服を完成させる予定で、これまでに7万個が完成し病院に届けた。周囲の社員からは「ソフト部はチームワークがよくて、生産性が高い」と評判だったという。

 事務職員として病院の総合受付に立ち、患者の対応をする選手もいる。院内では新型コロナ対応の最前線で働く医師たちの姿もよく目にしている。「まず私たちも感染リスクがあるので、感染しないように気をつけています。お医者さんや看護師さん、技術職の方を毎日見ていて本当に感謝しかないです」と語った。

 ソフトボールの方は、月から土曜の午後に3密を避けて寮などで各自練習を行う。全体練習を自粛しており、守備の連携プレーなどは確認できない。日本リーグは4月末までの全試合の中止が決まり、9月に再開予定。主将は「試合はできないけど、試合勘はなくさないようにしたい。寮では試合のビデオを見てデータを取るように、とみんな意識しています」と、チーム全体で意識を高め合っているという。

 今後も医療従事者とアスリートとしての両面でコロナ終息に向け、戦い続ける。「今は普段から支えてもらっている病院に貢献したい気持ちでいます。ただ、リーグが開幕したら、今年こそ決勝トーナメントに行けるように頑張りたいです」と、前だけを見つめて語った。(宮下京香)

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