【メディカルNOW】「集団免疫」路線をとるスウェーデンの行方

 新型コロナへの対応は国によって違う。ロックダウン(都市封鎖)など強い規制をとる国が多い中で、緩やかな規制で「集団免疫」を目指すスウェーデンの行方が注目されている。集団免疫とは、その集団の大多数が感染して免疫ができれば流行が収束する現象だ。新型コロナでは、60~70%が感染すれば集団免疫を得ると考えられている。

 スウェーデンでは、50人以上の集会が禁止され、不要不急の移動や高齢者との接触を避けるよう勧告されているが、レストラン・バー・ナイトクラブは着席スタイルならOKだ。外出制限がないから買い物はふだん通りにできるし、テラス席があるカフェやレストランは客でいっぱいだという。高校と大学は閉鎖されてオンライン授業が行われているが、16歳未満の子どもたちは学校や保育園に通っている。

 そのスウェーデンは新型コロナの感染者が2万9677人、死者が3674人(死亡率12%)。人口当たりで隣国のノルウェーと比べると、感染者が約2倍、死者が約8倍、死亡率も約4倍と高い(17日現在)。

 英国も当初は「集団免疫」路線をとっていた。当時ジョンソン首相は新型コロナ患者が入院している病院に行って握手したりしていたが、3月半ばに路線転換してロックダウンを実施。その直後に首相の感染が判明して3週間入院した経緯がある。

 スウェーデンは今のところ医療崩壊は起こっていないが、医療関係者からロックダウンを求める声が上がっている。「集団免疫」路線が成功したか否かを評価するには少なくとも1年必要だ。スウェーデンが現在の路線をいつまで続けていけるのか気がかりだが、壮大な社会実験が注目されている。(医療ジャーナリスト・田中 皓)

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