千葉雄大、時空超え浮世離れのぶっ飛びも心開きて演じ切るなり…NHK総合「いいね!光源氏くん」主演

話題の「いいね!光源氏くん」で主演を務める千葉雄大
話題の「いいね!光源氏くん」で主演を務める千葉雄大

 俳優の千葉雄大(31)が主演するNHK総合「いいね!光源氏くん」(土曜・後11時半、全8話)が話題だ。平安文学「源氏物語」の主人公・光源氏が現代にタイムスリップ。現実世界とのギャップに驚いたり、楽しんだりする姿を描いたコメディー。6話分の平均視聴率は4・2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、歴代の同枠ドラマで最高を記録。千葉が今作への思い、俳優デビュー10周年の心境などを語った。

 家では烏帽子(えぼし)にブルーのジャージー。外では烏帽子に私服。どこか憎めない、愛らしい光源氏が、土曜の深夜に「クスッと笑える」「癒やされる」などと評判だ。

 4月4日の初回から6話分の平均視聴率は4・2%を記録。18年4月にスタートし、2%前後で推移した同ドラマ枠「よるドラ」で最高値をたたき出した。千葉は「数字が全てではないけど、そう言っていただけるのはありがたいです」としみじみ。コロナ禍にあって不安感、閉塞感が漂う中だけに「『このご時世だし、すごく息抜きになっている』という言葉を聞いた。撮影中、視聴者の方々の反応が、想像付かなかったのでうれしいです」と安どした。

 女性コミック誌で連載中の、えすとえむ氏の同名人気漫画が原作のコメディー。「源氏物語」の雅(みやび)の世に生きていた光源氏が突然、現代に出現。現実世界とのギャップに驚いたり、楽しんだりする姿を描く。美しい容姿から「光の君」と呼ばれ、あまたの女性と恋愛をおう歌していたが、ある醜聞沙汰で都落ちの憂き目に遭い、須磨へ向かう途中、令和の世界にタイムスリップしてしまう―。

 過去に「源氏物語」を読んだ際、光源氏には「きらびやか」「女性にモテモテ」というイメージを持ったという。作風は大きく異なるが、沢田研二、東山紀之、天海祐希、生田斗真らがドラマ、映画で演じてきた。どう表現すべきか、原作と台本にヒントを探した。

 「見てくれがいいだけだと説得力がない。他に魅力的な部分を考えた時、目の前の全てのことに、純粋に反応する初々しさ、人間っぽさを感じたんです。自由奔放で浮き世離れ、でも、素直で優しい。自分とはかけ離れた存在だけど、人間っぽさ(を出すの)だったらできるんじゃないかって。ハチャメチャな設定を楽しみながら、この役を全うしようと決めました」

 現代語の飛び交う中、同じくタイムスリップした義兄の中将(桐山漣)と平安貴族の言葉を話す。会話の間、テンポに慣れるまでは苦労があった。「大河ドラマであれば、相手も同じ言葉遣いなので違和感なくできる。今回はテンポを抑えたり、早くしたりの案配が難しかった。『いかにも』というセリフなら、『それな』みたいに1度、現代語にかみ砕く作業をした。かみ砕いて台本を頭に入れてから、しゃべるようにしていました」

 NHK大河「平清盛」(12年)を始め時代劇の経験はあったが、平安貴族の所作を学び直した。傘の持ち方や振り返り方、座り方の指導を受けると、新たな発見があった。「所作って理にかなった作業なんです。着物をさばく上で立ち上がりやすくなったり、より美しく見えたり。それが分かってからは肩肘張らずにできたと思う。片方の肩を落とし、首のラインをスッと相手に出して話す。そうするだけで色っぽく見える。使えそうな場面では、意識的に使いましたね」

 美しいものを見た時、感情が揺り動かされた時に、光は和歌で気持ちを表現する。雅楽の音色に合わせて和歌を詠むのは毎話の印象的なシーン。「貴族は感情が高ぶると、言葉より先に歌で表現してしまう。平安時代もそうだったみたいです。光は思ったことをマジメに伝えているのに、現代だと『どうした、急に?』ってなる。真剣さと、周りの反応の温度差が魅力。どうせやるなら、やり過ぎぐらいがいいかなと思う」

 CG合成のため、屋外でもグリーンバックを敷いての撮影。手間がかかっている。「同じシーンをいろいろな角度から何回も演じ、その度に後ろの背景を合わせていた。技術的にはすごく大変なんです。オンエアを見た時、想像していたのと違っていて新鮮でした」

 自信が持てない、こじらせOLの沙織(伊藤沙莉)の家にヒモ同然のように暮らし始め、2人は距離を縮めていく。初共演とは思えない、伊藤との息の合った掛け合いも見どころ。「ぶっ飛んだ作品だからこそ、心を開いてやった方が生き生きとできる。伊藤さんだったから(成立した)」と存在に感謝するが、最初の頃は「どういう感じなのか、お互いに探り探りやっていた(笑い)」と告白する。

 「何でそんな感じになったのか、2人とも覚えていない。沙織の家のセットに入って、合間にふざけられるようになってから、スタッフの方に『(2人の)雰囲気変わったね』って言われるようになりました」

 テレビ朝日系「天装戦隊ゴセイジャー」(10年2月~)のアラタ(ゴセイレッド)役で俳優デビュー。同じ時期には、桐山は同局系「仮面ライダーW」(09年9月~)の主演だった。

 「戦隊ヒーローをやっている時、桐山さんが仮面ライダーをされていたので、(以前から)先輩感があった。普段は桐山さんがボケて、僕がツッコんだりするけど、芝居に入ると(リードしてくれて)先輩だな~と改めて思いました」

 俳優デビューし、節目の10周年を迎えた。「10年の間でいろいろな人に出会った。現場に入った時の役割は(格段に)上がっている。合格点は高くなる一方だけど、越え続けていきたい」と貪欲だ。「主演でも、助演でも、どんな役であっても責任感は変わらない。僕が見てきたステキな俳優の方々は、そうやってやられていた。自分が演じる際にもそうやって演じたい。みんなで、1つの作品を良くしようという空気感の現場になればいい―というのは常に意識しています」

 昨年3月の誕生日で30代に入った。これまでを振り返り、千葉は「何でもやってみないと分からないので、食わず嫌いせずにやってきた」と語る。2月の主演映画「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」ではシリアスな作品に挑戦。役の幅を広げる。

 「ダークな役が似合いそうって言われる。喜んでいいのか分からないけど(笑い)、そういった役も演じてみたい。現場の熱量を感じる作品には惹(ひ)かれますね。一石を投じるような社会派作品にも出てみたいです」。SNSなどを使った「発信すること」にも興味を抱いている。「責任を伴うし、怖さもあるけど、それをやめたら乏しい感じになる。言葉も、芝居も発信を続けて、それに説得力を持たせられるような人間になれたらと思います」

 16日に第7話、23日に最終話。番組の掲示板、公式ツイッターには早くも続編を望む声が上がる。「魅力的な登場人物たちが、1つの方向に向かっていく。当たり前に過ごしていた光と沙織の日常が後半、より大切に思えてくる。愛おしい時間になっていると思います」。30代で巡りあった当たり役。おごらず、謙虚に作品と向き合っていく。

 (ペン・加茂伸太郎、テレビ会議アプリ「Zoom」で取材しました)

 ◆千葉 雄大(ちば・ゆうだい)1989年3月9日、宮城県出身。31歳。2015年「Mr.マックスマン」で映画初主演。出演作にドラマ「桜蘭高校ホスト部」「家売るオンナ」シリーズ、NHK連続テレビ小説「わろてんか」。映画「帝一の國」「殿、利息でござる!」「スマホを落としただけなのに」。16日のTBS系「世界ふしぎ発見!」(後9時)に出演する。身長173センチ。血液型O。

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