14日放送のTBS系情報番組「ひるおび!」(月~金曜・前10時25分)で、検察官の定年延長を可能にする検察庁法の改正案について、野党が衆院内閣委員会で質疑を行ったことを報じた。
委員会には、同法を所管する森雅子法相が不在で武田良太行政改革担当相が答弁に立った。野党側から、1月に閣議決定された黒川弘務・東京高検検事長の定年延長の根拠を後付けでつくるための法改正ではないかとの質問が相次いだが、武田氏は「本来ならば、法務省からお答えすべきだと思う」などと述べるなど、質疑はかみ合わず委員会は紛糾。野党は質問を打ち切り、退席した。
コメンテーターで弁護士の八代英輝氏は、今回の法改正案に、検察の改革しなければならない点を指摘した上で「コロナにこの政権は全精力を集中してもらいたい。三権分立にかかわる重大な法案について、担当大臣である法務大臣を隠してこの法案を通そうとする、非常に姑息な態勢であること」との理由で法案に反対する姿勢を示した。
さらに法案が「去年の秋バージョンから春バージョンに変えるにあたって、検察庁の幹部に対して内閣の関与がより一層強めたバージョンに変えた変更を、しれっと通そうとすることは許されることじゃない」と指摘した。
その上で「私たち、裁判官をやっていた時、政権の中枢に切りこんだ事件を担当しても憲法による身分保障があったので、自分たちは怖いことはなかったんですけど、検察は行政機関ですから政府からにらまれることがあっては決してならない」とし、「この法律はこのまま決して通すべき法案じゃない」とコメントしていた。