コロナ感染者ゼロの岩手で盛岡大付と専大北上の強豪校対決、夏に向け「助け合い」の切磋琢磨

スポーツ報知
第1試合の6回1死一、二塁で右翼越えに逆転3ランを放つ盛岡大付・山本

 ◆練習試合・第1試合 盛岡大付6―4専大北上(9日・盛岡大付グラウンド)

 春夏通算15度甲子園出場の盛岡大付(岩手)と同6度出場の専大北上(岩手)が9日、練習試合を行った。新型コロナウイルス感染防止のため、岩手県内の高校相手にのみ練習試合実施が認められており、今春は通常この時期には実現しない強豪校同士が頻繁に対戦。夏の岩手大会や甲子園の開催が不透明な中、選手たちのことを第一に考え、互いの利害を超えて実戦経験を積んでいる。

 普段は県大会でしか見ることのない好カードが繰り広げられた。この日は盛岡大付のグラウンドに専大北上が乗り込み、昨秋の県大会準々決勝以来となる対決が実現。新型コロナウイルスの感染者が少ない東北地域内でも県外遠征ができない中、岩手の私立校が手を取り合った。

 「助け合いですから」と盛岡大付・関口清治監督(42)が話せば、「快く受けていただいてありがたいです」と専大北上・及川将史監督(35)。例年だと大事な夏の大会を控えたこの時期、手の内を明かさないため県内私立校と練習試合を組むことはなく「秋(の公式戦)が終わった後、たまにやるくらいですね」(関口監督)。だが公式戦が中止となった今春はこの2校だけでなく、昨夏甲子園出場の花巻東、春夏通算8度甲子園出場の一関学院などを加えた私立勢が、練習試合を数多く組んでいるのだ。

 練習試合では公立高とも戦うが、部員が多い私立校同士の時は、より多くの部員を出場させるため、1日3試合行うこともあるという。関口監督は「部員の人数が多い私学同士しかやれないこと。ありがたいです」。各校とも練習時間が制限される中、可能な範囲で練習に取り組み、実戦を重ねる流れを作ってきた。

 昨秋は10―3で盛岡大付が勝利。この日も主力組中心の第1試合で6―4と強さを見せた。2―2の6回1死一、二塁から7番・山本蓮太朗一塁手(3年)が右翼の防球ネットを越える逆転3ラン。「ストレート(の速さ)に遅れない意識で振った。少し詰まったけど飛ばすことができた」と胸を張った。実戦がなければアピールの場もなく、選手の成長にもつながらない。岩手の強豪私立校同士が互いに助け合い、高めあって、夏に向けて前へ進んでいく。(有吉 広紀)

 専大北上 昨秋の県王者に接戦を演じたが最後は押し切られた。主力組が名を連ねた第1試合に先発した佐藤悠寿希投手(2年)は、5回まで1失点の粘投。しかし、2―1の6回に捕逸と2四球が絡んで同点とされると、1死一、二塁で右越え3ランを被弾。「夏は1番をつけたい」とエースを目指す左腕は「終盤に球が浮いてきたのが課題」と反省した。打線は8、9番で計3得点をマークするなど下位打線が機能。4点を挙げ食い下がった。及川将史監督(35)は「盛付さんは、どんな時でも先制点を取る。終盤のところでどんな形でも点を取るのが強いチーム。そのあたりですね」と分析していた。

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