【プチ鹿島プチ時評】トップランナーの今できる発信に注目

プチ鹿島
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 コロナで誰もが大変です。一方でこういう状況の時にトップランナーが何をするか見ることができるのも「今」なんだと思います。

 6日に無料生配信された「12人の優しい日本人を読む会」は素晴らしかった。三谷幸喜さんの代表作「12人の優しい日本人」を俳優がリモートで演じたのだ。テレビ会議アプリ「Zoom」を使うことで視聴者は役者全員の表情を均等に見ることができるという「特典」も享受できた。陪審員の会話を描くこの作品ならオンラインにも向いている、と気づいた知恵に唸(うな)ります。

 世界最大のプロレス団体WWEは大一番の「レッスルマニア」を無観客で配信しました。どんなものを見せてくれるかと思ったら無観客を逆手に取り“墓場”や“幻想の世界”での試合もあったのだ。報知は「もはや映画」「もはや特撮」と報じた(4月11日付)。

 感想はたくさんあるが、一つ確かなのは関係者は業界最大手の“考え”を見られたわけです。トップランナーがこういう指針を見せた以上、今後新しい見せ方がどんどん出てくるだろう。

 テレビドラマは名作の再放送もやっている。良いものは繰り返し放送してほしいので大歓迎です。再放送は亡くなった俳優が今も生きているような錯覚に陥ることもある。ラジオ番組「東京ポッド許可局」で共演者のサンキュータツオはその現象を「生と死の感覚が薄まっている」と評した。そういえばウチの娘は追悼番組で志村けんさんを知り、笑っていた。今では東村山音頭も口ずさんでいるほどだ。名作を再放送することで時空が関係ない不思議な感覚を味わえる。そういえば「12人の優しい日本人」も30年前の名作でした。

 エンタメ界は苦しい状況ですが、今だからこそ発信や表現に注目してみてはどうでしょう。

(時事芸人)

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