Jクラブ、年間シートの扱いは…今治が払い戻し決定、浦和・柏なども検討の声明

埼玉スタジアムを埋める浦和サポーター
埼玉スタジアムを埋める浦和サポーター

 今季からJ3に参戦する今治は5日、今季シーズンシート(年間シート)の払い戻しを開始することを発表した。Jクラブでは初の事例とみられる。希望者のみを対象とするという。

 今治は予定された全試合の開催を目指す方針を強調しつつ「すでにホームゲーム6試合の開催が延期され、当初から大幅に試合日程が変更となりご心配をお掛けしております。再開時期が現時点で未定である事も踏まえ、かねてから特にシーズンパス購入者の方々への対応を検討して参りました」と声明を出した。浦和や柏なども払い戻しの検討に言及したリリースをすでに発表。今治の決定を受け、追随するクラブが出てくるかもしれない。

 Jリーグが公表し、2万人以上を調査対象者としている「Jリーグ スタジアム観戦者調査2019サマリーレポート」によると、J1来場者におけるシーズンチケット購入者の割合では、仙台、浦和、F東京、川崎、湘南、松本、磐田、広島、鳥栖、大分と半数以上のチームが50%を超えた。シーズンチケット所有者の平均観戦回数は、J1が「16・3回」、J2が「20・2回」。2つのデータをまとめると、シーズンチケット購入者は1年に16~20試合に足を運び、その数は入場者数のおよそ半分を占めることがわかる。

 年間シート保有者が多ければ多いほど、健全なクラブ運営ができると言われてきた。ドイツ・ドルトムントのスタジアムは8割近くが年間シートで埋まる。米・NFLでは購入に数年待ちというチームもあるという。

 しかし、コロナ禍により状況は変わりつつある。無観客試合、あるいは収容人数を数割程度に抑えた形での開催となると、年間シートの取り扱いは困難を極める。シート保有者の財政面も考慮する必要がある。クラブにとっては“固定収入”を失う痛手となるが、入場者数に制限がかかることを鑑みると、致し方ない措置とも言える。

 今治は、払い戻しを「希望者のみ」とした。払い戻しに応じないサポーターは、クラブに一種の募金に近い形を行うことになる。しかし「私は払い戻ししません」という意見が正義と捉えられがちだが、払い戻しに応じることが悪というわけでは断じてない。もちろん、払い戻しをしない人が偽善者だというわけでもない。

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 あるワイドショーで、専門家とし出演していた感染症の専門家が、「コロナは新型の感染症。コロナの専門家なんていないんです」と苦笑いで語っていた。同様に、無観客試合の専門家も、年間シート払い戻しの専門家もいない。何が正解かわからない中での選択を迫られることになるが、クラブにとっても、年間シート保有者にとっても、短期的・長期的視点の両方で最良の選択となればと思う。(記者コラム「〇日後に再開するJリーグ」担当・岡島 智哉)

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