9月入学の「秋春甲子園」導入で球児の聖地チャンス拡大―アマ野球担当記者の目

スポーツ報知
昨年8月、夏の甲子園大会で旭川大高戦に登板した星稜・奥川

 政府による緊急事態宣言が、今月末まで延長された。高校球児の「夏」への道筋が見えない状況が続くなか、指導者もさまざまな考えを巡らせている。母校を率いて今春のセンバツに出場するはずだった県岐阜商・鍛治舎巧監督(69)が、現在の思いや、社会の関心を呼んでいる「9月入学」が現実化した場合の高校野球のあり方について、スポーツ報知に特別寄稿。3学年が出場できる選手権大会を、秋と春の2度実施する案を提案した。

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 「春はセンバツから」と言われ、夏の甲子園大会は風物詩として日本全体に深く根付いている。そのカレンダーを大きく変えてしまう9月入学に違和感を覚える高校野球ファンは少なくないだろうし、記者もそのひとりだ。

 しかし、鍛治舎監督が述べているように、プレーする高校生にとってプラスになる部分は少なくない。年間のスケジュール案の中で最もひかれたのは、甲子園を目指すチャンスが増えることだ。4月入学だと、1年夏から3年夏までの計5回。一方、9月入学なら、3年間で秋春の大会を計6回経験できる。球児に、より多くの夢を与えるという意味で、大きな改革になる。

 また、夏の大会が7~8月から秋にずれれば、近年、大きな問題になっている熱中症との闘いを避けることができる。春と秋に多くの地方大会で採用している週末の集中開催が甲子園でも可能だとすれば、投手の投球過多の問題も解消される。“選手ファースト”が、自然な形で進むことになる。

 秋春ともに都道府県の代表を決める形なら、甲子園に出場できる高校の数も増える(現在はセンバツが通常32校)。センバツならではの特色である「21世紀枠」も残す方法はあるだろう。3年生にとって最後になる春の地方大会で健闘した高校などを、5月の甲子園に選出すればいいのではないか。

 現状では机上の論議の域を出ない9月入学だが、球児にとって何が最善であるかを考えて意見を出し合うことは、決して無駄にならないと思う。(アマチュア野球担当・浜木 俊介)

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