力石徹からあしたのために…名古屋の障害者施設へ寄付 仮面ライダーから繋がる支援の輪

プレゼント箱に貼られた力石徹のイラスト。子どもたちへのメッセージが記されていた(ふれ愛名古屋提供)
プレゼント箱に貼られた力石徹のイラスト。子どもたちへのメッセージが記されていた(ふれ愛名古屋提供)

 あしたのために、贈るべし―。名古屋市の障害者施設「ふれ愛名古屋」に5日、ボクシング漫画の不朽の名作「あしたのジョー」の主人公「矢吹丈」のライバル「力石徹」を名乗る人物からマスクやおもちゃなどのプレゼントが届いた。約100人の子どもたちが通う同施設には4月に「仮面ライダー」からの贈り物も。新型コロナウイルスとの闘いの中、ヒーローたちによる支援のリレーが始まっている。

 「こどもの日」の朝、コワモテのキャラクターから子どもたちにあったかいプレゼントが届けられた。

 ふれ愛名古屋によると、午前7時過ぎに出勤した職員が玄関前に置かれた段ボール箱を発見。開封するとマスク150枚と消毒液の他にジグソーパズルや塗り絵、卓上ゲームなどがギッシリ詰まっていた。箱に貼り付けられていたのは、不敵な笑みを浮かべながらパンチを繰り出す力石のイラストだった。

 添えられた文字には「『仮面ライダー』からのメッセージを受け取った。つぎは俺の番だな」とつづられ「友達の矢吹と一緒に子供たちにプレゼントを持ってきた。矢吹の右ストレートと俺のアッパーでコロナをダウンさせてやる!」とジョーとの共闘企画だと強調。さらに「みんなも家でトレーニングしてくれ! 力石徹より」と巣ごもり生活へのエールで結ばれていた。

 市内10施設で重症児約100人ら障害者の支援や介護を行う「ふれ愛名古屋」。新型コロナウイルスの感染を避けるため、約半数が自宅待機を選択している。普段とは違う日常を強いられている施設には、4月20日にも「仮面ライダー」を名乗る人物から紙芝居や絵本などのプレゼントがあった。贈られた紙芝居を動画に編集して、全国の障害者施設にオンライン配信する活動を始めたところだった。

 愛知県内では4月19、20日にも他の4施設で「タイガーマスク」らから贈り物が届いた。差出人を名乗らずに児童養護施設にランドセルなどを贈る寄付活動として、2011年1月に一気に全国へと拡大した「タイガーマスク運動」の再来とも取れる動きがある。力石のメッセージには「PS メッセージを受け取ったヒーロー達、一緒に動いてくれ!」との言葉もあり、支援の輪は拡大する可能性がある。

 ふれ愛名古屋の鈴木由夫理事長(69)は「本当にありがたいです。子どもたちにかわいそうな思いをさせている中、明るい話題はうれしい。運動が広がってくれたら」と願う。あしたのジョー世代だけに「前面に出るのが矢吹さんではなく力石さんというのが何ともステキです。ワクワクします」と語っていた。(北野 新太)

 ◆力石 徹(りきいし・とおる)1967~73年に週刊少年マガジンに連載され、若者のバイブルと化したボクシング漫画「あしたのジョー」(原作・高森朝雄、作画・ちばてつや)のキャラクター。主人公・矢吹丈と少年院で、プロのリングで対決する。壮絶な減量で知られ、フィニッシュブローはアッパー。孤独とストイシズムを漂わせる存在感で絶大な人気を得て、70年に作中で死んだ直後は詩人・寺山修司の発案で葬儀が行われ、多数の読者が参列した。

社会

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 マガジン報知 バックナンバー申し込み 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請