巨人の菅野智之投手(30)と炭谷銀仁朗捕手(32)が5日、球団の「インスタライブQ&A」に出演した。野球選手じゃなかったら? との質問に、小さい頃に仮面ライダーに憧れていた菅野はプロ野球選手を志してからは他の夢を考えたことがないと答え、炭谷は白バイ隊員と披露した。この日はこどもの日。常に子どもたちのことを考える優しい2人が、誰もが楽しめるトークでファンと交流した。
G球場で個人練習後、菅野と炭谷はカメラの前の椅子に座った。開幕を待つファンと画面越しに交流。球団インスタグラムに届いた質問をもとに話を進めた。
炭谷(以下、炭)「野球選手になっていなかったら何していたと思いますか」
菅野(以下、菅)「ゾッとしますね。僕、小さかった頃は仮面ライダーでした。仮面ライダーになるって言ってたんですけど、野球を始めて野球選手になりたいって言ってからは、絶対になれるもんだと。たぶん野球選手になるんだろうなって勝手に思っていました。だから他の夢を考えたことがなかったです」
炭「すげえ。俺は白バイ隊員になりたかった」
小1で本格的に野球を始めた菅野。小さい頃の思いを語ることで、野球少年少女に夢を持つ大切さを教えてくれたように映った。
菅「おうち時間、何してますか?」
炭「子どもと遊んでる。上の子が小学2年生で」
菅「今の小学2年生ってどんな遊びするんですか」
炭「今の小学生はすごいよ。もう、どこで覚えてきたんか知らんけど、ティックトック(TikTok=ショートムービーアプリ)とかもやるし。タブレットで見てダンス覚えたり」
菅「やるんですか?」
炭「うん。俺もたまにやらされるけど、できるわけないよね(笑い)」
真剣な野球の話あり、笑いありの濃密トーク。子どもたちにも人気のスマホゲーム・プロ野球スピリッツA(エース)の話もあった。
菅「プロスピやってますかってめっちゃ質問くる」
炭「携帯のやつね。昔やってたけど飽きたんよ」
菅「いやいや飽きはこないですあれは。去年やってなかったんですけど、理由は自分の能力ガッツリ下げられたので面白くなくて」
炭「(ファンに向け)プロスピもやってください」
菅「(カブスの)ダルビッシュさんの動画見てます。ダルビッシュさんがめっちゃ僕のことを使ってくれるんですよ。プロスピで。ダルビッシュさんがユーチューブで上げてくれている動画があって、エースとして使ってくれているんですよ。うれしかったです」
新型コロナウイルスの影響を受ける小・中学生に、菅野は「力になってあげたい」とものまねコンテストを開催(7日まで球団ツイッターで実施)。自ら審査して100人にサイングッズを贈る。また都内の医療支援のため1000万円を寄付した。炭谷は難病と闘う子どもたちにおもちゃをプレゼントした。優しい2人には「好きな食べ物」の質問も出た。
炭「イチゴ」
菅「僕はチャーハン」
炭「何チャーハン?」
菅「普通の五目チャーハン。おしゃれなやつダメなんです。町中華のチャーハンが好きで。年季の入った昔ながらの中華屋さんとかあるじゃないですか。ふらっと入ってチャーハンだけ食べて出て行きます。王将のチャーハンもおいしい」
炭「王将のチャーハンうちの娘も大好きなの。今、外食できないから、たまに王将の出前するけど、王将のチャーハン大好き」
他にも盛りだくさん。菅野は宮本投手チーフコーチについて「大好き。選手目線で考えてくれる」と感謝した上で「ズムサタ感が抜けない」と笑う場面も。登板日はルーチンを作らない話や、18年に達成したCS史上初のノーヒットノーランの試合で調子が悪く「誠司(捕手の小林)に『ヒット打たれないと代えてくれないらしいから早めに1本打たれとこう、と言っていた」との秘話も明かした。
2人が車、時計、靴好きな話に加え、炭谷は名前の由来が父の好きな漫画「硬派銀次郎」【注】からと紹介。最後は力強い言葉で締めた。
炭「開幕した時に全力で爆発できる力を蓄えている状況であります。ファンの皆さんも開幕したら応援いっぱいお願いします」
菅「なかなか思うようにいかなくて正直しんどいです僕たちも。ただこうやって練習もさせてもらっていますし、野球ができるだけでありがたいので、感謝の気持ちを込めて、試合が来る日を待ってくれているファンの方のためにも頑張っていきたいと思います」
プロ野球開幕を心待ちにするファン、子どもたちとの交流。約30分間の楽しい時間は、あっという間に過ぎた。(片岡 優帆)
【注】本宮ひろ志の漫画で1976年から「月刊少年ジャンプ」で連載された。主人公・山崎銀次郎が理不尽な出来事にも臆せず立ち向かう。続編は「山崎銀次郎」。
◆菅野がプロ野球選手を夢見た少年時代
▽競技開始 小1で本格的に野球を始め、相模原市の軟式少年野球チーム「東林ファルコンズ」に入る。
▽壁当て 日課は公園での壁当て。「壁がすごく小さくて、そこに当てないと奥の森にボールを捕りにいかないといけなかった。基礎が壁当てでできた」と抜群の制球力を養った。
▽英才教育 祖父・貢さん(原辰徳監督の父)に指導を受ける。公園の滑り台をはだしで下から上へと駆け上がって下半身を強化。
▽負けず嫌い 駆けっこで1位になれなかったり、ゲームで負けると悔し泣き。掛け算の『九九』を早く覚えた人からもらえるスタンプのため熱心に勉強。
▽両親の教育 東海大相模高、法大で野球部の父・隆志さんから感謝の大切さを教えられ、体を大きくするために牛乳を水代わりに飲んで成長。母・詠美さん(原辰徳監督の妹)の支えもあり、エースで打者としても中心選手で活躍した。