「仮に今年試合がなかったとしても…」Jクラブのスポンサーが明かすコロナ禍での本音

声援を送るJ2千葉のサポーター
声援を送るJ2千葉のサポーター

 2月のJリーグ開幕前の段階で、大半のスポンサー企業が平常開催を見込んだスポンサー料を各クラブに支払っている。しかし新型コロナウイルスの感染拡大により、2月末から中断しているJリーグは再開の見通しが立たず。投資分に見合うだけの広告価値を得られない状況が続いている。

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 再開後の無観客試合開催が現実味を帯びてきた。注目を浴びづらい平日開催が増えることも避けられない。天皇杯とルヴァン杯はともに試合数の削減を発表。スポンサー企業にとって、投資分に見合うだけの露出機会が得られるかどうか、不透明な状況と言える。

 ただでさえ「コロナショック」により多くの業界で減収減益が見込まれている。Jリーグの財務担当者も「スポンサー営業の不振等で(来季以降の)経済的ダメージが考えられる」と明かしており、来季以降にクラブとのスポンサー契約の見直しを迫られる企業が増える可能性もある。

 SNSコンサルティングを主な事業とするサービス「いぬゆな屋」の代表取締役社長・沼田宗一朗さんは、今季からJ2千葉のアシストスポンサーになる決断をした。長らくクラブを応援してきたからではなく、サービスの知名度向上、社会的信用の獲得、生まれ育った千葉への地域貢献などを目的とした経営判断だった。

 2月23日の第1節琉球戦(フクアリ)。「いぬゆな屋」と書かれた看板がスタジアムに掲げられ、ハーフタイムにはビジョンにも映し出された。しかしこの試合を最後にJリーグは休止となった。

 それでも沼田さんは「仮に今年試合がなかったとしても、1円も返してくれとは思いません」と語る。「露出機会が減ることは間違いありません。でもこういう時だからこそスポンサードする価値がある。少ないお金だけど、役立てて頂ければ。何があっても、来年以降(スポンサーを)やめる選択肢はありません」

 スポーツビジネスが発達する欧州主要リーグでさえ、裏方スタッフの一時解雇や選手の給与削減が相次いで伝えられるなど厳しい資金繰りが続いている。Jクラブも同様に難しい状況にあるが、日本で欧州ほどのコストカット案が現状聞かれないのは、スポンサー収入が春先に得られたばかりで、各クラブに資金ショートに陥らないだけの財政的貯蓄があるからに他ならない。

 2011年4月24日。東日本大震災後で中断したJリーグが再開し、千葉はホームにF東京を迎えた。その年J1昇格を果たすことになる強豪を相手に、3―0で圧勝した。沼田さんは振り返る。「今の状況は震災と重なる部分もある。あの時のような感動が訪れてくれれば。こういう時だからこそ、応援しがいがあるんです」

 試合が行えない中、各クラブはSNSなどでスポンサー企業の露出をあの手この手で試みている。来季以降、スポンサーからの撤退を余儀なくされる企業は少なからず出てくるかもしれない。だが今は、クラブと企業が一体となってこの難局を乗り切り、再び歓声が飛び交うスタジアムを目指す時だ。(記者コラム「〇日後に再開するJリーグ」担当・岡島 智哉)

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