【有森裕子の本音】マスクで“高地トレ”…ゆとりと思いやりを持って走ろう

有森裕子さん
有森裕子さん

 新型コロナウイルス感染が拡大する中、市民ランナーの「マスクエチケット」が話題となっています。当初、私はそれほど気にはしていませんでした。ただ先日、軽く運動をと思って近所をウォーキングしていた時に、それほど広い歩道がないような道を、歩いている人たちを縫うようにしてマスクをしていないランナーが走るのを見たことで、注意して観察してみたのです。

 すると、今回の新型コロナの影響でランニングを始めたと思われるランナーは、比較的マスクをしているようでした。一方で、走ることが習慣化している人ほど、マスクをしていない傾向があるように感じました。常に走っている人にすれば「いつもと同じことをしている」と言いたいのでしょうが、今は、普段と状況が違います。走るのはどんな場所なのか、どれくらい人がいるのかということを考える必要があるでしょう。

 そんなことを思いながら、ツイッターに「全国のランナーのみなさん、マスクして走りましょう! 心肺機能を高めるチャンス! 『なーんちゃってセルフ高地トレーニング』お勧めです!」と投稿をしました。すると、「マスク着用を強制してほしくない」「(感染防止の)科学的根拠はない」などといった、さまざまな反響がありました。

 私は、科学的根拠に基づいて投稿したつもりはありませんでした。マスクをすると、普通に走るよりも苦しい。だから、高地トレーニングを“疑似体験”するような気持ちで、ゆとりと思いやりを持って楽しみながら走ってほしいと言いたかったのです。

 外出自粛期間が長くなり、イライラがたまってきている人も多いでしょう。その中で、他人に嫌な思いを与えることなく、心身共に健康でいられるようにランニングを楽しんでほしいですね。

(女子マラソン五輪メダリスト)

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