熱狂渦巻く“密”なスタジアムを取り戻すために、いまサポーターが出来ること

サポーターの熱狂渦巻く日産スタジアム
サポーターの熱狂渦巻く日産スタジアム

 新型コロナウイルスの感染拡大により、Jリーグは2月末から休止している。すでに6月2週目までの延期が正式発表されているが、緊急事態宣言延長となれば、6月中の開催は困難。サッカーのある日常が当たり前だった各クラブのサポーターにとっては、何とも辛い日々が続いている。

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 そんな中、横浜Mサポーターの石井和裕さんは、仲間と協力し、再開を待ちわびるサポーター向けに、お手製のムービーを作成した。テーマは「家にいよう」。YouTubeに投稿された3分36秒の動画では、石井さんが声をかけたアメリカやオーストラリア、タイなど海外在住のマリノスサポーターが家にいる事の重要性を訴え、国内在住のサポーターも続いた。

 石井さんは「1993年以降、春にサッカーのない生活をしたことがないんです。つまらないですよね」と苦笑いを浮かべ、「サッカーのある週末を取り戻す近道として、今は家にいて、感染拡大を防ごうというメッセージを伝えたかった」と作成の意図を明かした。現在は再びサポーター有志と共に、「マリサポから社会を支えるあなたへ」と題したプロジェクトを進行中。コロナ禍で外で仕事をする人に向けて、クラブと縁の深い「民衆の歌」を各サポーターが自宅で歌ったものを募集・編集し、発信する試みをスタートさせている。

 一方、あるJ1クラブの熱心なサポーターに取材を申し込むと、「せっかくの機会なので名前を出したいのですが…」と氏名公表NGの旨を伝えられた。勤務する飲食店がコロナ禍で傾き、近日中に店をたたむことが決まっているからだという。毎週末、知人である彼のフェイスブックに投稿されるスタジアムでの一喜一憂を見てきただけに、言葉を失った。

 「養うべき家族もいます。客を入れる形で再開しても、しばらくはスタジアムに行けないでしょう。でも無観客でもDAZNでもいいから早く試合を見たい。仕事はなくなったけど、Jリーグが再開すれば日常が戻ってくる気がするんです。収入にメドが立てば、また(スタジアムに)行きますよ」

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 ここ最近、JクラブのSNSなどが過去の名勝負映像を積極的に配信している。選手の熱いプレーにも目を奪われるが、熱狂が渦巻く満員のサポーター席に目がいく。はしゃぐ、沸く、叫ぶ、吠える、抱き合う、落胆する、泣く。密、密、密。怒った知事さんが空から飛んできそうな光景だが、サポーターにとってはこれが日常だった。

 あと少しなのか、もう少し先なのか、しばし先なのかはわからない。収入面でコロナ禍の影響を受け、数年単位で“参戦”が遅れるサポーターもいるだろう。だが今は家にいて、サッカーが不要不急から再び必要火急な存在になるのを、ただひたすら待つだけだ。(記者コラム「〇日後に再開するJリーグ」担当・岡島 智哉)

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