本田圭佑の信念はアフリカ元子供兵にも「サッカー通じて夢を持つ大切さ伝えたい」

スポーツ報知
2017年6月にウガンダを訪問し、難民の子供たちと交流した本田

 元日本代表MF本田圭佑(33)=ボタフォゴ=は、豪華アスリートが参加する音声サービス「Now Voice」を配信するなど、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、ピッチ外で様々な活動を行っている。2017年12月からはアフリカでサッカースクール事業を展開。これまでスタッフが3か国で約2000人を指導し、1月には反政府軍に連れ去られ兵士として育てられた「元子供兵」らを対象とした特別スクールも開催した。コロナ禍で事業は停止しているが、本田は信念を実現させるべく再開の時を待っている。

 今年の1月26日、東アフリカに位置するウガンダの北部・グル県のグラウンド。「元子供兵」「南スーダン難民」といった複雑な背景を持つ子供たち60人の前に、本田がたちあげた「SOLTILO株式会社」のスタッフが立った。スクールが始まると、警戒・緊張の面持ちだった子供たちが徐々に笑顔に包まれていった。立てなくなるほどに笑い転げる姿も見られ、即席の紅白戦は白熱。「将来はサッカー選手になりたい」「本当に楽しかった。あしたからの職業訓練も楽しみたい」。子供たちからは、そんな声が聞かれた。

 本田と同社は、暗い影を持つ子供たちにスポーツが果たす役割が大きいと考え、現地で活動するNPO法人「テラ・ルネッサンス」と協力。土屋雅人コーチ(30)は電話取材に、「(市民としての退路を断つため)自らの手で故郷を襲撃し、親族を殺した経験を持つ子もいる。故郷に戻ろうにも戻れない。兵士としてしか働けない子を何とか社会復帰させたい。スポーツを通じてつらい経験を忘れて心から楽しむことができたり、自己表現できたりする機会が提供できたらと思っていました」と語る。

 17年6月、本田はウガンダで難民向けのサッカースクールを実施。ツイッターで「子供たちの姿に感銘を受けた。親を失った子供が多数の中、彼らはみんな幸せそうだった」とつづり、継続的な支援を決意。同年12月から「アフリカドリームサッカーツアー」と銘打った事業をスタートさせた。

 事業開始の際、本田はスタッフに「どんどん暴れてくれ」とLINEを送った。ウガンダ、ケニア、ルワンダの3か国で、これまで約2000人の子供たちを無償で指導。才能ある子供は地域のアカデミー施設に推薦し、一部費用を援助する。

 元子供兵と南スーダン難民対象のスクールは5月に第2回が予定されていた。しかし新型コロナの感染拡大により休止を余儀なくされ、現地駐在スタッフは一時帰国中。それでも本田は「サッカーを通じて、夢を持つことの大切さを伝えたい」という信念を子供たちにまっすぐ向けている。(岡島 智哉)

 ◆本田の主な肩書

 ▼選手 ブラジル1部・ボタフォゴ所属。オーバーエージでの東京五輪出場を目指すことを公言。

 ▼監督 18年からカンボジア代表のGMに就任。実質的な監督として指揮する。

 ▼経営者 12年にサッカースクール事業開始。現在は国内67校、海外8校を展開。カンボジア1部・アンコールFC、ウガンダ1部・ブライトスターズの実質的オーナー。20年2月に東京都リーグ「ONE TOKYO FC」を設立し、監督にタレントの武井壮を招へい。同4月、ダルビッシュ有、池江璃花子ら豪華アスリートが参加する音声配信サービス「Now Voice」始動。

 ▼投資家 世界的俳優のウィル・スミスと共同で投資ファンド「ドリーマーズ・ファンド」を設立。

 ▼その他 米マサチューセッツ工科大学メディアラボ特別研究員。2025年国際博覧会誘致特使。国際医療ボランティア団体「ジャパンハート」アドバイザー。

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