「サッカー」を失ったJリーグのクラブが、スポンサー企業のためにできること

選手イベントの料理対決でスポンサー商品を紹介するMF大津祐樹(右上)。全選手が企業名つき練習着で参加した(横浜M公式YouTubeより)
選手イベントの料理対決でスポンサー商品を紹介するMF大津祐樹(右上)。全選手が企業名つき練習着で参加した(横浜M公式YouTubeより)

 Jリーグのクラブが、「サッカー」という看板商品を失っている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う2月下旬の公式戦延期決定から、はや2か月以上。例えるなら車を売れない自動車メーカーのようなもの。経営的には大ピンチ。億単位の減収の可能性に言及するクラブもある。それでも各クラブは知恵を絞り、スポンサー企業に貢献できる形を模索している。

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 横浜Mが4月18日に選手主導で行ったインスタグラム、ユーチューブでの6時間の生放送番組。トークショーコーナーに出演していたDF松原健がおもむろに「このイヤホンは…」と切り出し、身につけていたスポンサー企業が販売するワイヤレスイヤホンを紹介した。MF大津祐樹は料理対決コーナーで、スポンサー企業が販売する調味料を画面に突き出し、日常的に使用していることをアピール。J2栃木の経営陣が行った配信動画を眺めていると、ユニホーム姿で登壇していた社長が突如、ユニホームを前後ろ逆さまに着替えた。少しでも企業名を露出したいが故の行動だ。

 SNSを通じた選手の映像配信の際は、多くのクラブが選手にスポンサー企業名の入ったユニホームや練習着の着用をうながしている。ビデオ会議アプリ「ZOOM(ズーム)」に各自設定できる背景画像として、スポンサー看板を無料配信するクラブも。SNSや公式サイトを利用した発信も事欠かない。クラブ同士で情報を共有し、優れたサービスをどんどん模倣していこうという動きもあるそうだ。

 鹿島の小泉文明社長は「例えば『巣ごもり消費』と言われているような家での消費需要に関して、スポンサー企業さんと新しいアクティベーション(取り組み)ができるのではないかと考えています。スポンサーの方と何か新しい取り組みをすることで、アントラーズのスポンサーを継続して頂けるよう知恵を絞ってやっていきたい」と“行動変容”に応じた新しい取り組みを模索していることを明かしている。

 今季からJ2千葉のアシストスポンサーになった、SNSコンサルティングを主な事業とするサービス「いぬゆな屋」の代表取締役社長・沼田宗一朗さんの元には、公式戦延期が決まるたびに、クラブからお詫びの連絡が届くという。沼田さんは「ここまでのJリーグの考え方を聞けば、(延期も)納得ができます。村井(満)チェアマンで本当に良かったなと思います。(スポンサー企業が)たくさんある中で、小口の自分にも連絡を頂けてうれしく思います。露出機会が減ることは間違いないですが、こういうときだからこそスポンサードする価値がある。少ないお金だけど、役立てて頂ければと思います」と心境を語る。

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 「おうち時間」に慣れ、ネットサーフィン先も一巡してしまった(自分のような)皆さま。ご贔屓クラブの公式サイトを覗き、スポンサー企業一覧を見てみてはいかがでしょうか。通販で購入できる商品を探してみたり、自粛要請を終えた時に使いたいサービスを検討してみたり。お問い合わせフォームから「スポンサーになりたいんですが…」なんてメールを送るのもありかもしれません。(記者コラム「〇日後に再開するJリーグ」岡島 智哉)

◆岡島 智哉(おかじま・ともや)福岡県出身。2016年報知新聞社入社、同年10月よりサッカー担当。仕事の日は在宅勤務、休日は世界遺産検定の勉強と江戸川沿いのマスク着用ランニングにいそしむ日々。

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