畠田瞳&千愛姉妹の強い思い…日本女子体操界初の五輪同時出場の夢へ

平均台で演技する畠田千愛
平均台で演技する畠田千愛
体操女子の畠田瞳(右)、千愛の姉妹(セントラルスポーツ提供)
体操女子の畠田瞳(右)、千愛の姉妹(セントラルスポーツ提供)
床運動で演技する畠田瞳
床運動で演技する畠田瞳
テーブルを囲む畠田姉妹と家族。瞳(手前左)、千愛(手前右)、母・友紀子さん(奥左)、父・好章さん(奥右)=畠田家提供
テーブルを囲む畠田姉妹と家族。瞳(手前左)、千愛(手前右)、母・友紀子さん(奥左)、父・好章さん(奥右)=畠田家提供
畠田姉妹比較表
畠田姉妹比較表

 日本女子の体操界では初となる五輪同時出場を目指す姉妹がいる。19歳の畠田瞳と、今季からシニアに参戦する15歳の千愛(ともにセントラルスポーツ)だ。東京五輪は1年延期となったが、やるべきことは変わらない。夢見る大一番に向け、強い思いを語った。(取材・構成=小林 玲花)

 畠田姉妹にとって五輪同時出場をかけた勝負が始まる。姉・瞳は19年世界選手権で、東京五輪の団体出場権獲得に貢献した。ミスのない安定感ある演技が光り、日本が弱点とする段違い平行棒で強さを見せ、今の代表には欠かすことのできないメンバーだ。妹の千愛は19年NHK杯でジュニアながら姉に続いて3位と表彰台に上がった。すでに実力は日本トップクラスで、ついにシニアデビューを果たす。一緒に目指すことのできる最初の五輪が東京大会だ。

 瞳「姉妹で五輪に行くことが目標の一つでもあります。2人で行けるというか、行きたいって意識は強いです」

 国際大会の出場経験もある母・友紀子さんの指導を受け週6日、一緒に練習し切磋琢磨(せっさたくま)する。それぞれの強みは、お互いに尊敬できる部分でもある。

 瞳「妹は海外で戦えるような実力も持っているので(代表に)入ってもらいたい存在。床と平均台に関してはターンの美しさ、ジャンプの高さなど海外の選手とも競えるくらいの完成度。日本人の中でも唯一と言って良いと思います」

 千愛「姉はどの試合に行っても失敗しないのが一番の強み。勝負強さがあるし、世界選手権など大きい舞台のときも冷静に失敗しない演技が毎回できているし、練習からそれができている。安定していることが演技をする上で一番大切なことだと感じます」

 父は1992年バルセロナ五輪で団体銅メダルを獲得した畠田好章氏。体操一家で唯一、五輪を経験している父の存在は2人にも大きな影響を与えている。瞳は鉄棒が得意だった父のDNAを受け継ぎ、長い手足を生かして段違い平行棒が武器。妹も小さい頃から熱心な指導を受けてきた。

 瞳「小さい頃に(鉄棒で)基本となるような動作をお父さんに教えてもらっていたので、段違い平行棒で得点を稼げるようになったと思います。段違い平行棒を上達させる上で欠かすことのできない、浮き腰しんぴ(注1)っていうトレーニングを家でお父さんにやり方を教えてもらったり、補助をしてもらったりしていました」

 千愛「膝つま先を演技中にひたすら伸ばすのは徹底されました。今も言われています。やっぱりクセ付けしないと、動く度に減点になっちゃう。重なっていくと相当、大きな減点になると思うので強く意識しています」

 姉は2度目、妹は初めての五輪選考となる。父からのアドバイス方法もそれぞれ異なった。

 瞳「リオ五輪の選考のときは『(跳馬のDスコア5・4)ユルチェンコ2回ひねりをやらないと絶対代表には入れない』と言われ、実際にできなくて代表入りを逃した。今回は何も言われていないので、今の構成を完璧にできれば狙える位置にいるということなんだと自信があります。完璧にできるかどうかが鍵になる」

 千愛「『五輪がかかっている試合と、かかっていない試合は違う』と言われます。お姉ちゃんが言われてきたユルチェンコ2回ひねりは私も言われていて、使わないと五輪には行けない。確実にしたい」

 週1回の休みも一緒に過ごすことが多い。2人の趣味は共通していて、インスタグラムで人気スイーツを探して食べに行くことや、料理など「おいしいもの」でリフレッシュする。

 瞳「食事制限は特にないんです。日頃からグルメはチェックして『これ食べたいね』って話をしている。この間は代官山に行って、お団子を自分で焼いて好きなソースや粉を付けて食べることができるお店に行きました。すごくおいしかったです」

 千愛「私は趣味でよくお菓子を作ります」

 瞳「妹が作ったフォンダンショコラがとってもおいしかった」

 千愛「姉はお菓子よりご飯を作る。姉の作る『特製かきたまうどん』は家族全員ではまっちゃっています。今ではみんなの大好物」

 瞳「練習が早めに終わったりして、(母が夜に)予定があるときは自分が家族のご飯を作ったりもします。(鶏の)ユーリンチー、おいしかったよね? 材料も自分で買ってきて、タレから作りました」

 千愛「チャーハンは失敗してた。べちゃべちゃしてたよ(笑い)。味はいいんですけど、作っている途中にべちゃべちゃで『これはダメだな』って思いました(笑い)」

 五輪は1年延期となったが、2人の思いは変わらない。“姉妹五輪”に向け、良き仲間、良きライバルとして日々高め合っていく。

 千愛「跳馬で点数を稼ぐためにもユルチェンコ2回ひねりはやりたい。平均台も去年の構成から約1点、Dスコア(難易度)を上げているので安定させることが一番。難度が高い分、落ちる確率が高いのでしっかり演技を完成させたいです」

 瞳「4種目とも去年から大きく難度は変わっていないので、絶対的な確実性が大事。あとは(得意な)平均台や段違い平行棒で、得点を稼ぐ連続技を確実にできるように細かなところまで突き詰めたい。(姉妹で)一緒に五輪に出られるようお互いに自分のベストを出したいです」

 【注1】浮き腰しんぴとは、開脚の状態から腰を浮かせて倒立に持っていくトレーニング

 ◆体操女子の五輪への道 団体メンバーは4人。当初は、4月の個人総合の全日本選手権の得点を持ち点にして争われる5月のNHK杯上位3人と、残り1人は6月の全日本種目別選手権までの結果を踏まえ、複数種目で団体総合に貢献できる選手を選ぶ(強化本部長推薦の可能性もあり)方式だったが、五輪延期の影響で白紙に。 ◆日本体操界のきょうだい五輪出場 日本体操協会によると、12年ロンドン五輪に出場した、長男・和仁、長女・理恵、次男・佑典の田中3きょうだいのみ。

平均台で演技する畠田千愛
体操女子の畠田瞳(右)、千愛の姉妹(セントラルスポーツ提供)
床運動で演技する畠田瞳
テーブルを囲む畠田姉妹と家族。瞳(手前左)、千愛(手前右)、母・友紀子さん(奥左)、父・好章さん(奥右)=畠田家提供
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