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台湾プロ野球は外出したら罰則も 移動は全てバス…日本プロ野球の道しるべ 徹底コロナ対策を聞いた

台湾と韓国のプロ野球野球比較
台湾と韓国のプロ野球野球比較

 日本野球機構(NPB)は無観客で6月19日以降の開幕を目指して準備を進めている。スポーツ報知では、NPBが新型コロナウイルス対策で参考にしている台湾プロ野球(CPBL)と韓国プロ野球(KBO)の関係者を電話取材。12日に開幕した台湾は海外からも大きな注目が集まり、徹底した感染予防策をとっている。

 台湾プロ野球は、当初3月14日の開幕予定日から2度の延期を経て12日に開幕した。無観客での開幕、夏のオールスター戦開催見送りなどの措置はあったが、前後期120試合の完全消化を目指しており、順調に2週間以上が経過。現地の球界関係者は「(開幕への)否定的な意見はなく、盛り上がっている」と説明した。

 世界に先駆けての開幕は、台湾内でも大きな注目を集めた。同関係者によると、12日にケーブルテレビで中継された中信兄弟―統一の開幕戦は瞬間最高視聴率1・18%を記録。「100チャンネル以上あるケーブルテレビで1%超えはすごい」という高視聴率で、過去3年間で最高の平均視聴率0・76%を大幅に上回った。インターネット中継は台湾以外からの視聴も多く、英語での中継を開始。今後は日本語放送も検討されているという。

 開幕に踏み切った理由の1つには、台湾球団の収益構造が関係している。1試合あたりの平均入場者数は、昨季で5000人程度。昨季のNPBの3万929人とは大きな隔たりがあり、各球団の収入はテレビ、インターネット放送など放映権料の割合が大きい。そのため「各球団はできる限り収入が入る方法を選んだ」(同関係者)と、無観客であっても開幕した方がメリットがあると判断されたようだ。

 現場では徹底した感染予防対策が敷かれている。各球団は休養日以外は選手、球団スタッフらに不要不急の外出禁止を通達し、違反者には罰則を設けている球団もある。移動は新幹線などの公共交通機関から全てバスに変更し、地方球場開催は本拠地へ振り替えられた。

 マスコミには球場入りの際の検温、消毒、マスク着用を義務付け、取材は「3密」を避けるためにグラウンドで行われ、記者は一定の距離を取った状態で話を聞く。取材エリアも制限され、これまで取材可能だったベンチ内やロッカールームへの立ち入りは禁止に。ルールを破った人物にはCPBLから1か月の取材禁止処分が課されるなど、厳格な措置が取られている。

 日本は開幕から当面の間は無観客試合とする方針だが、同関係者は「日本の場合は移動距離も長く、チーム、選手、スタッフの数も多いのでその分リスクがあるのでは」と慎重な判断を呼びかけた。(小島 和之)

 ◆台湾プロ野球(CPBL) 1990年に4球団でスタート。97年にTML(台湾職棒大連盟)が発足し2リーグ制となったが、八百長事件が発覚するなどして人気が低迷。2003年に合併し、1リーグ6球団制に。現在は中信、統一、富邦、ラミゴ、味全(19年に再加盟し、今季は2軍リーグ、21年から1軍に参入予定)。各60試合ずつの前後期制で台湾シリーズで年間覇者を決める。

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