【森永卓郎の本音】収束するまで毎月10万円給付を

森永卓郎氏
森永卓郎氏

 新型コロナウイルス対策として困窮世帯への30万円給付を決めていた政府が急転直下、国民に一律10万円支給へ方針転換した。国民は、概(おおむ)ね好意的に受け止めている。事前に行われた共同通信の世論調査でも、30万円給付を妥当だとする国民は2割で、「一律に給付すべきだ」と答えた国民は6割を超えていた。

 ただ、10万円給付への転換を批判する声もある。総額12兆円を超える給付が財政を圧迫し、将来の増税につながるという懸念だ。実際、東日本大震災の復興事業の財源として、復興特別所得税が創設され、25年間、所得税が2・1%上乗せされている。それと同じことが繰り返されるのではないかというのだ。

 確かに財務省が今の緊縮姿勢を貫けば、同じことをしてくる可能性はある。しかし、私は将来の増税は全く不要だと考えている。それは、「通貨発行益」があるからだ。

 赤字国債を日銀が買い取り、永久に持ち続けると何が起きるか。政府は日銀に利払いをしなければならないが、それは国庫納付金で返ってくる。つまり、財政赤字を出しても、国債を日銀が買い取れば、借金は消えるのだ。これを通貨発行益と呼ぶ。通貨発行益の活用の唯一の問題は、やりすぎるとインフレになることだ。だが、安倍政権の7年間で、毎年平均で53兆円、ピークの16年は85兆円の通貨発行益を生み出した。それでもインフレにならなかったのだから、100兆円くらいの財政赤字は問題にならないだろう。

 そう考えると、10万円給付へのもう一つの批判、「10万円ではとても足りない」という声にも応えることができる。感染が収束するまで、毎月10万円を給付すればよい。収束まで半年かかっても72兆円、通貨発行益で十分賄える金額なのだ。(経済アナリスト)

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