未来をイメージした新駅「高輪ゲートウェイ」から消えた「新聞」

「高輪ゲートウェイ」構内に開店した無人AI決済コンビニ「TOUCH TO GO」
「高輪ゲートウェイ」構内に開店した無人AI決済コンビニ「TOUCH TO GO」

 東京のJR山手線・京浜東北線の新駅「高輪ゲートウェイ」を利用した。3月14日の開業日に行って以来だ。

 14日は、開業日の盛況を取材するため同駅を訪れたが、券売機前には、駅名と日付が印字された開業記念切符を買い求める人が殺到し、180分待ちの長蛇の列があった。同日の利用者数は4万人を超えた。新型コロナウイルス感染拡大を受け、外出自粛ムードが高まる今日の状況を考えれば、信じがたい光景である。

 しかし、その光景と同じく危機感を覚える光景が、構内の無人AI決済コンビニ「TOUCH TO GO」にあった。同店は14日の開業日時点ではオープン前だったので、実態を確かめることができなかった。ようやく先日初入店したが、店の前に着くやいなや、イヤな予感がした。

 「新聞」がない―。駅構内の小型売店「KIOSK」や、「toks」でなじみの深い、駅売りと呼ばれる「新聞」の売り場がない。店内には、飲料や菓子類、アルコールや同店限定商品など、約600種類が並ぶが、新聞、雑誌など紙媒体の商品は置かれていない。

 同店を運営する「(株)TOUCH TO GO」に、新聞を取り扱わない理由を聞くと、「大きな理由の一つは、新聞の売り上げが下がっていること。KIOSKなどの売り上げ構成などを参考にしていますが、かつて主力だった新聞やたばこは需要が年々減少していますからね」ときっぱり。また店内の陳列方法や、AI決済システムなどの関連で、現時点では紙媒体を取り扱う予定がないという。

 同駅は、構内案内や警備もロボットが行う「未来をイメージできる駅」がコンセプト。同店は、開店して1か月も経たないことから、「無人コンビニ」といえども、スタッフが2名常駐しているが、店の天井には約50のAI搭載カメラセンサーがひしめき、人の動きや商品の位置を捉える。会計の際は、パネルの前に立つだけで、手に取った商品やカバンの中に入れた商品が自動的に認識され、会計額が表示される。

 いまは同店が「未来的だ」と感じる人が大半だろうが、これらシステムが普及し、スタンダードになる社会はもうすぐそこなのかもしれない。そうなった時、「新聞」は駅売店から姿を消してしまうのか。明治初期、駅構内で立ち売りで販売された「新聞」。その行方を担う一記者としては、時代の流れに適応したモデルや、電子化とのつきあい方を見直さなければならないと感じずにはいられない。(記者コラム・奥津友希乃)

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