デビュー15周年の中村倫也「過去に興味ない」未来志向の脳みそで「これからどうやって驚かせようか」

(カメラ・橘田 あかり=撮影は屋外で2メートル以上の距離を保ちながら行いました)
(カメラ・橘田 あかり=撮影は屋外で2メートル以上の距離を保ちながら行いました)

 俳優生活15周年を迎えた中村倫也(33)が、12日にスタートした日本テレビ系連続ドラマ「美食探偵 明智五郎」(日曜・後10時半)に主演している。人気漫画家・東村アキコ氏の同名漫画が原作の毒殺サスペンス。新型コロナウイルスの影響で、撮影がストップしているが「誰かにとっての救いになったら、うれしいな」と願いを込める。

 緊急事態宣言発令後の今月9日。新型コロナウイルス感染予防のため、ビデオ通話でインタビューを行った。

 「え? 何これ? こんにちは~。海外と中継してるみたい(笑い)」。中村は画面越しの記者へ満面の笑みで手を振った。中村にとって初のオンライン取材となったが、戸惑いの表情は一切見せず、新鮮な取材方法を楽しんでいた。

 ドラマ業界は未曽有の事態に巻き込まれている。新型コロナの感染拡大を防ぐため、4月期の連ドラは軒並み放送延期。同作は、通常より早い1月からクランクインしたため、無事に初回を迎えられた。

 「予定通り放送できることは良かった。毎日自宅待機して、自粛して、いろんなニュースが巡り、閉塞感がある。そんな中でフィクションは、一つの逃げ道になるんじゃないか。ちょっとしたガス抜きを、みんなの人生のプラスになればいいな」

 暗い世相を吹き飛ばす―。フィクションの無限の可能性を信じている。

 13年ぶり2度目の連ドラ主演。「気負いはない」と普段通りの様子だ。現場に心地よい雰囲気をもたらすことを心掛けている。

 「ずっとゲラゲラ笑っています。シリアスな現場は僕と小池栄子さんのシーンが多く、6話で炎の中で会話するシーンも、実は愉快に撮っています。スタッフもこいつら面白いと思って見ている。漂っている空気感の中に遊び心、物作りを楽しむスタッフ、キャストが多いので、すごく平和。ただ、推理する時の長セリフを覚える時に余裕がなくなります(笑い)」

 演じるのは、超美食家で変人の私立探偵・明智五郎。類いまれなる味覚と推理力で事件を解決する異色の探偵だ。

 「明智は変人で、感覚が見えづらい。ドラマ的な緊張感、盛り上がりをどの程度出していいのか、手探りでやっています。2話からいろんな展開が起こり、どんどんグルーヴ感が生まれ、明智という存在が僕になじんできた」

 原作のイメージにより近づけるために、ワイン色のスーツ、ループタイなど明智の衣装はオーダーメイドで制作した。役に合わせて、オーダーメイドをするのは初体験だったという。

 「生地から選ばせてもらった。気を付けたのは、色味と映像になった時の艶感。明智という人がこだわって何着も仕立てて、毎日着ているのを見えるようにした。あと、ベストの背中の生地に、切り返しでかわいい柄を入れています。今思えば、衣装合わせの時から遊び心があり、そこから愉快な空気ができていましたね」

 美食家役ということもあって、撮影を通しておいしいご飯に舌鼓を打った。

 「2話に出てきたフレンチトーストがおいしかった。作り方まで聞いたけど、まだやっていない(笑い)1、3話で肉、2話で海鮮丼などいろんなものを食べさせてもらっています。食べ過ぎないように気を付けないと」

 自身は「グルメではない」というが、元気の源はしょうが汁。自らキッチンに立って作る。

 「にんにくとしょうがとネギの青いところをみじん切りにして鍋で香りが立つまで炒める。水を入れて、中華スープのもとを入れて鶏肉と大根いちょう切りにして、ひたすら煮て、ちょっと風邪引いた始めに飲むと、風邪をぶっ壊せる。20分くらいで作れますよ。辛い物もすきなのでスンドゥブチゲ作ったりする。手軽に作れるものが多いです」

 謎多き役柄同様、インタビューではひょうひょうとした言葉が印象的だ。2005年に俳優デビューし、今年で15年。振り返るのは好きではない。

 「不思議な15年。運良く、そして努力もちょっとだけ加味し、今仕事をさせてもらって、こうやって取材も受けて、中村倫也という名前が浸透してきた状況。でも、過去に興味がない。今後、明日、何ができるかを考えてしまう脳みそ。これからの15年でどうやって驚かせようかなと、考えられるようにしたい。15年後は48歳。生きているのかな? 釣りをしていたいなあ」

 それでも、積み重ねた演技力は本物だ。これまで演じてきたのは束縛夫、モテ男、冷静な刑事…。5月15日に公開を控える主演映画「水曜日が消えた」では1人7役に挑戦。“カメレオン俳優”として心掛けていることもある。

 「作品をちゃんと読み取ること。初めて台本を読んだ時、自分の役が一番最初ではない。作品性、行程、それぞれの役割や自分の役の言動で、別の役に何をパスするのかというのを念頭に置いて、物作りのスタートにいる」

 ドラマは現在、撮影がストップ。中村の出演パートは7話、全体では5話まで撮っている。先行きが見えない状況だが、確固たる俳優像があるため、不安はない。

 「役者は現場があって、本があって、仲間があって初めて成立する仕事。いろんなことに左右されずに、行ったその場で芝居をして、自分ができることをする。どんな時もベストを尽くせるコンディションを整えることがプロだと思う。今は撮影が止まっていますが、気持ちは切れない。うまいこと気を休ませながら、撮影が再開できる時に何ができるかをずっと考えている」

 また心から芝居を楽しめる日を待ち望む。(ペン・水野佑紀、カメラ・橘田あかり)

 ◆中村 倫也(なかむら・ともや)1986年12月24日、東京都生まれ。33歳。2005年、映画「七人の弔」でデビュー。14年、舞台「ヒストリーボーイズ」で第22回読売演劇大賞の優秀男優賞を受賞した。18年、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」でブレイクし、同年のYahoo!検索大賞俳優部門を受賞。19年、実写映画「アラジン」の日本語吹き替え版を担当し、同年のNHK紅白歌合戦に出演した。身長172センチ。血液型A。

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