【ロッテ】「練習の虫」ドラ3高部の野球にかける強い思い

高部瑛斗
高部瑛斗

 ロッテには今季、ドラフト1位の佐々木朗希投手を筆頭に7人のルーキーが入団。「令和の怪物」フィーバーで盛り上がる中、ひたすら練習を続ける選手がいた。ドラ3の高部瑛斗(あきと)外野手(22)だ。国士舘大時代は東都大学リーグ2部新記録となる129安打を放った安打製造機。野球を始めた頃から自主練習はほぼ毎日欠かさない「練習の虫」で、私にはその向上心がまぶしく見えた。

 1月27日からルーキーを含む一部選手が石垣島で先乗り合同自主トレをスタート。全体練習は主に昼過ぎに終了し、14時頃には球場を後にする選手が多い中、高部は「こういう(キャンプ前の)時だからこそじっくりできると思うので」と、閑散とした室内で打撃マシンを使い1時間以上もバットを振り続けた。

 自主練習が終わったと思うと、次は陸上競技場へ。夕焼けの下で400メートルトラックを一人で走り続け、いつも一番最後に球場を出た。

 2月のキャンプイン後は、メニューがこれまでよりキツくなっても姿勢は変わらなかった。初日の12分間走では、ルーキーながら3050メートルと外野手でトップの成績を残し、自慢の足で猛アピールした。初日から選手は疲労困憊だったが、練習後にもバットを振り続け、12分間走で疲労が残る足で再び陸上競技場へ向かった。

 あまりにも練習を重ねる姿に「体が持たないのでは」と心配になるほどだった。その日の帰り際、思い切って「疲労は大丈夫?」と声を掛けると「大丈夫です。だってうまくなりたいじゃないですか。上には上がいるんで」と笑い飛ばした。その謙虚な姿勢に、担当1年目の私も「見習わないと」と思った。

 2月8日に行われた台湾リーグ・楽天モンキーズとの対外試合では「2番・右翼」でスタメン出場。プロ初打席で初安打をマークし、試合2安打3打点1盗塁の衝撃デビューを飾った。しかし2打席目で右手首に異常を感じ途中交代。「右手有鈎骨(ゆうこうこつ)骨折」と診断され、キャンプ離脱を余儀なくされた。

 ただその後は2軍でリハビリを続け、3月20日の2軍戦(対楽天)でスタメン復帰。いまだ右手首には手術の跡が残るものの「全然大丈夫ですよ! 遅れを取り戻して巻き返します!」と前向きだ。

 これほどまでに野球にかける思いが強いのは、2016年に白血病により16歳の若さでこの世を去った弟・晴斗さんの存在が大きかった。昨年10月のドラフトでロッテへの入団が決まると「やっと一つの目標が達成できた」と話していた。

 次の目標は弟に誓った「プロでの活躍」だ。向上心を忘れない「練習の虫」はその約束を胸に、1軍昇格へバットを振り続ける。(ロッテ担当・小田原 実穂)

コラムでHo!とは?
 スポーツ報知のwebサイト限定コラムです。最前線で取材する記者が、紙面では書き切れなかった裏話や、今話題となっている旬な出来事を深く掘り下げてお届けします。皆さんを「ほーっ!」とうならせるようなコラムを目指して日々配信しますので、どうぞお楽しみください。

野球

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請