大林宣彦監督、長時間感じさせないよどみない口調…映画担当記者が悼む

本紙インタビューに応える大林宣彦監督
本紙インタビューに応える大林宣彦監督

 広島県尾道市を舞台にした「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」の尾道3部作で知られる映画監督の大林宣彦(おおばやし・のぶひこ)さんが10日午後7時23分、肺がんのため都内の自宅で死去した。

 2017年12月、映画「花筐/HANAGATAMI」の公開時、大林監督にインタビューした。取材時間を45分間と希望すると、宣伝担当者は「2時間はスケジュールを空けておいてください」。短時間で、と言われることは多々あるが、長時間を打診されるのは初めて。だが、実際に取材をして合点がいった。最初に映画の感想を伝えてから、次に質問したのは63分後。監督は1時間以上、一人で話し続けたのだ。

 子供の頃は「男尊女卑の時代」で母親よりも先に風呂に入っていたという。終戦を迎えた7歳の時、初めて母と一緒に風呂に入り「女の人の裸を初めて見ました。すべすべして柔らかくてね」。学校生活も含め幼少時の記憶がとても細かく驚かされた。

 近年、明確に反戦のメッセージを込めた作品を製作したのは、東日本大震災がきっかけとも。淡々と落ち着いた口調だが、話によどみがなく、遮るスキがない。いつの間にか質問することも忘れて聞き入ってしまった。終わってみれば取材は2時間10分に及んだ。

 前年の8月に肺がんで余命3か月の宣告を受けたが「抗がん剤の効果で、今は余命未定なんです。死ぬのは怖くないけど、がんごときじゃ死ねねえぞと。体が映画を撮れと言っているのかな」と笑っていた姿が目に焼き付いている。

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