三浦翔平「バチッとハマる現場、それがエクスタシー」テレ朝系「M 愛すべき人がいて」松浦勝人氏役

インタビューに答える三浦翔平
インタビューに答える三浦翔平

 俳優の三浦翔平(31)が、安斉かれん(20)とW主演するテレビ朝日系「M 愛すべき人がいて」(土曜・後11時15分)が18日にスタートする。歌姫・浜崎あゆみの誕生するまでを描いた小松成美さんの小説のドラマ化で、三浦は浜崎をプロデュースしたavexの創業者で、同社のCEO・松浦勝人氏(55)役となるマサを演じている。「初めはどうしようかなと思いました」と重圧を感じていたが、松浦氏と対面して「迷いも吹っ切れた」という。俳優生活も13年目に入り「共演した先輩方から学ぶことばかりでしたが、最近やっと周りを見えるようにもなりました」とも。仕事への思いやプライベートも聞いた。 (ペン・国分 敦、カメラ・小泉 洋樹)

 三浦はレコード会社「A VICTORY」を創業し、アユ(安斉かれん)をトップシンガーに育てた希代のプロデューサー、マサを演じる。メーカー名や登場人物の名前こそ微妙に違うが、松浦氏と浜崎あゆみとの出会いから成功、そして恋愛関係の軌跡が話の基になっている。当初、三浦は松浦氏を演じることにプレッシャーがあったという。

 「『よし』というよりも『どうしよう』でした。松浦さんは表にも出られていて世間的なイメージが定着しています。役を松浦さんに寄せた方がいいのかどうか。僕が演じるマサは100%マックス松浦じゃないからせめぎ合いはありました。成美さんの本を読んで書かれていたのと僕が聞いた松浦さん像はちょっと違っていたので、そこはプロデューサーと話し合いました。結論的には松浦さんはすごく尖っていたらしいので台本よりもちょっと強めに作ろうと、語尾だったり言い回しを変えてみました」

 松浦氏がドラマの収録中に現場を陣中見舞いし、初めて対面が実現した。

 「先日突然、松浦さんが現場を訪ねて来られて初めてお会いしました。とてもシャイな方で、話していてもあまり視線を合わせなくて…。人見知りなんでしょうか。思っていたのとは多少ギャップはありました。当時の話をうかがったら『とにかくムチャクチャだった』と。マサを松浦さんに寄せた方がいいのか悩んでいましたが『全然大丈夫だから存分にやって下さい』と、ご本人の言葉をいただいて吹っ切れました」

 安斉にとっては初めての演技となるが、相手役の成長を日々感じているようだ。

 「演技経験がないから覚えることも多いのは仕方ない。でもそこはアユに抜擢される素材の持ち主ですから勘はいいです。ちゃんと自分で気持ちも作れるし、純粋でピュアで監督にいわれるままにどんどん変わっていくというか。日々成長でクランクインの頃と顔が全然違いますし、最終話ではもっといい顔になっていますよ。今回はアユの成長物語でもあるので、そこは彼女(安斉)とシンクロしていると思います」

 ―白濱亜嵐が右腕の弟分で出演している。

 「亜嵐とは映画『ひるなかの流星』を一緒にやっていてよかったです。映画からちょこちょこご飯行ったりしていましたが、クランクイン前に亜嵐のキャスティングが決まった時にすぐ1本メール入れました。『本気です。けっこう張っているから頼むね』って。そしたら『分かりました。できる限りのサポートします』っていってくれました」

 ―脚本の鈴木おさむさんとは仕事が多いが。

 「おさむさんとはテレ朝さんの『奪い愛、冬』(17年)が初めてで、次がAbemaTV『会社は学校じゃねぇんだよ』(18年)で今回でしょ。それに年頭のWOWOWのドラマ「ワケあって火星に住みました」とその舞台版(5月上演予定)も。去年末から今年上半期はもうおさむさんですね。いろんなことやっているから忙しすぎて台本あがってこないです。最終も最終前もまだ来てなくて『来てドン』って感じです。さすがに『これやって欲しいんだな』というのは何となく分かります。おさむさんからも何もリクエストないです。もう分かってくれている感じです」

 08年「ごくせん」で俳優の世界に身を投じて13年目になる。最近、役者の魅力を感じることがあるという。

 「自分は役者しかできない。好きなんでしょうね。きっと。それこそこの間、亜嵐とも話していたんですよ“役者あるある”の話を。撮影でバチッと一体にはまる瞬間があって、これは言葉にできないんですけど…。共演者同士から技術、カメラ、録音、照明、監督まで本番っていうのが一発でバチッとはまる瞬間があるんですよ。その時ってOKを聞かなくても『いけたな』という空気が出るんですよ。現場でね。それがもうエクスタシー。『来た!』って感じ。逆にダメな時もすぐに分かる。違うなって。向こうサイドも違いを感じているのも分かる。全部がっちりはまるのは少ない。毎回はまる時もあれば全然はまらない現場もある。それって何なんだろうって探しながらやっています」

 『THE LAST MESSAGE 海猿』(10年)で日本アカデミー賞で優秀新人賞を受賞したが、余裕はなかったそうだ。

 「当時は自分のことだけでいっぱいいっぱい。厳しい映像に見えるのは肉体的にも精神的にもきつい状態に追い込まれていたのを、自然に画に撮っていただいただけです。今思えば。当時は『きつい現場をよく頑張ったな』って思っていましたが今はきつくなくても、そこの境地にいかなくちゃいけない。やっと俯瞰で自分の事を見られるようになってきたからさっきの“バチッ”と鳴る瞬間も分かってきたと思います。僕らの世界って突き詰めれば突き詰めるほど正解がないでしょ。自分でやりたいことが増えてくるけど限られた制限の中でやらなきゃいけないから、そこをいかに削って角を丸くする作業が大変なんです。終わりがなくて毎回『これでいいのか』という思いを持ちながら、監督さんに『それでいい』といってもらってやっと消化できている感じです」

 俳優経験を重ねると同時に、共演した大先輩の姿勢に感じるモノがあるようだ。

 「先輩方との共演は毎回勉強になります。若い時からずっとトップを走っている方や今でも主演をやられている方は『なるべくしてなられている』と思います。昨年(「逃亡者」の)撮影でご一緒した渡辺謙さんは、謙さんなのか役に入っているのか。本人と役の境目がメイク場でも分からない時があります。(15年、エンジェル・ハートで共演した)上川隆也さんは完全に『もう役に入りますよ』ってスイッチを入れますね。で、木村拓哉さんと一緒にやった『教場』(20年1月放送)はでかかったですね」

 ―どのあたりが。

 「いや~『スターってこうなんだな』って。なんだろう。かっこいい、素敵が詰まっているんですね。外見じゃなくて現場での佇まいですね。共演者やスタッフへ対しての気配りとか。撮影は一番きついはずですが、木村さんは誰よりも早く現場に来てずっと立って見ている。どこにそんな余裕があるのか不思議でした。僕は自分ができそうモノをちょっとずついただいてちょぼちょぼとやって、今は『この人、今はこんな心境なのかな』と気にかける余裕も出てきました。若い時は全然気にしていなかったですけどね(笑い)」

 歌舞伎の市川海老蔵や人気バンド・ONE OK ROCKのボーカリスト・Takaを始め交友関係は多種多様に及んでいる。人脈をどう広げているのか。

 「芸能関係でいうと、共演してご飯行った時に『前に(作品で)一緒だったんだよね』って別の人を紹介してもらって仲良くなることもあれば、舞台見に行った時に出演していた方に『良かったらご飯来れば』とかで知り合ったりします。一般の方たちは自分の趣味はゴルフとサーフィンとバイクなので、ゴルフ行ったら『今日、食事行きませんか』『はい、行きますよ』で繋がったり、サーフィンは海で出会った人たちと顔見知りになって『近くでランチしましょうか』という感じです。最近のご時世ではすぐに仲良くなるのもいろいろあるので、そこは少し気を付けてはいます。あっ、木村(拓哉)さんとサーフショップがショップが一緒で、ショップの方と波に乗ることもありますよ。場所は波次第です。主に千葉、茨城ですが行ってダメだったらすぐに移動してって感じです。この間は南房総行ってきました。海の中にいると何か1回リセットできるんですよ。それが魅力ですね」

 ―家庭ではリセットできない。

 「今はドラマに入っているので“作品脳”になっています。たとえば昨日とかは一日中セットいて、帰って次の日の台詞を覚えるという感じです。『今日、あそこがあんまり良くなったな』と思い返していると、向こう(奥さん)も分かってあんまり話しかけてこない。仕事を家に持って帰らないようにしているつもりなんですけど、やっぱ考えちゃうんですよね。作品に入っている時には家にいてもねえ~。オフが3、4日あれば一緒に出かけたりもしますけど、それもなかなか取れないですねからね」

 18年に女優の桐谷美玲と結婚。年内に第一子が誕生する予定だ。

 「まだ2年なんで『結婚はいいもんですね』とは確実にいえません。そんなに付き合っている時と変わらないんで、リズムが。でも風邪引いた時とかすごい助かりますよね。後、家に帰って誰かが絶対にいるのは安心します。(彼女を)いいと感じ始めたのは共演したドラマ(16年「好きな人がいること」)からです。彼女は芸能界とか関係なくちゃんとしてますし、すごく普通です。今、一番心配です。(妊娠)安定期に入った感じですがコロナもらうのが怖すぎて。『家出るな』っていっています」

 多趣味ながらも夫婦関係は良好だという。秘訣は気配りにあり―。

 「趣味の割合は自分で決めています。今週は外に出過ぎたなと思ったら次の週は家にいたり。最近出ていないという時には『ちょっと海行ってくる』とか。ボクシングは1、2時間の話で、バイクも都内パーッと走って戻ってくればいいですけどゴルフやサーフィンは半日くらい家を空けるんでね。出かける前にめちゃ掃除したり帰ってきてから普通に洗濯とか。『きょうは洗い物やるよ』『どうしたの?』『いや、サーフィンやってきたから』。そんな感じで気を遣いながらやってます。結婚式のスピーチで鈴木おさむさんが『とにかく謝れ』とおっしゃって下さったので、それ守るようにしています(笑い)」

 ゴルフにサーフィンなどアウトドアの趣味を持つ一方、読書好きとしても有名だ。しかも速読を一気に読み切るという。

 「読書は仕事の延長ですからね。速読しています。僕って一気にやっちゃいたいタイプの人なんです。昔から。学校の授業とかもとにかくパーッと終わらせたい。夏休みの宿題もチャチャってやって遊ぶとか。それが速読につながっているのかもしれませんね。でも速読は内容5割くらいしか頭に入らないんで、面白い時はもう一回読み返します。全部一気に読みたいんで、基本途中でやめることはないです。物語りが終わっちゃうと、もう読めなくなっちゃいます。途中でやめたら頭から読み直すか、ちょっと違うなというのはもう読みません。中途半端は嫌なんです。100か0かです。昔から」

 ―最後に言いたいことは。

 「今は新型コロナで世の中が大変になっています。日本のエンタテインメントも辛い時期ですが、願っているのは芸能界の発展ですね。映画、ドラマ、舞台。すべてのエンタテインメント業が向上すればいいと思っています。向上するために自分のするべきことをぶれずに頑張ります」

 役者として幅を広げてきた。これからも時代劇やナレーターなど新たな分野を開拓していくのだろう。

 ◆

 役によって体重を増やしたり減らしたりするが、減量の苦しさはないそうだ。

 「減量は慣れました。去年『教場』で警察官役だからと思って、体作ろうと思ってめちゃ食べてたんですよ。そのまま放置していたら、後編が終わったぐらいにはただの脂肪だけになって体重も71、72キロぐらいまでいきました。次の『アライブ がん専門医のカルテ』には、ただのお腹たるたるデブで出ました。今回は松浦さんの体がシュっとしているから67キロまで落として、それを維持している感じです。体重は摂取カロリーと消費カロリーのバランスです。自分でなんとなくこれ食べたらこれぐらい。このぐらい動いたらこれぐらいとか分かります。最初は格闘技の先生とかジムの先生にちゃんと食事のトレーニングを教えてもらってやり始めました。『海猿』の時は体をでかくするだけでかくして絞れていない。バキッていう筋肉ではなくて腹筋もバキバキ割れてもいないんです。今はちょっと割れているぐらいです」

 13年に出演した映画「「カノジョは嘘を愛しすぎてる」では劇中で結成していたCRUDE PLAY(クリプレ)というバンドのボーカルを担当。シングル曲「サヨナラの準備は、もうできていた」を発表している。

 「映画で歌やりましたね。あれはだいぶ直してもらいました(笑い)。機会があればやってみたいですけど、今はアーティスト業ってあまり利益にならないじゃないですか。投資と回収のバランスがね…。自分もカラオケで歌いますがやっぱりプロには勝てないですよ。前回はギターもやらなきゃいけないので、歌とギターレッスンやりました。もし、歌をやるんであればもっと練習してやります。あと、エンタテインメントの方でいうとCDとか出さずに、いつも歌わないような人たちが集まって歌うとか面白いと思います。そう『We Are The World』みたいなのがいいですね。こんな時期ですから、誰か音頭取ってやればいいと思います」

 ◆時代劇挑戦見据え

 数々の映画やドラマに出演しているが本格的な時代劇の経験がない。未開拓な分野へのアプローチも密かに進めているようだ。

 「時代劇はちょこちょこ舞台とかはやっていますが、本格的なのはまだです。公開してませんが去年は坂本龍馬役の作品を撮りましたが、そろそろ本気でやんなきゃいけないとは思っています。乗馬も殺陣も所作もやりたいし、やる時にはすべてできるようになって出演したいです。『時代劇やらせた方がいい』って(バーニングプロダクション・周防郁雄)社長にも言って下さいよ(笑い)。舞台もなぜか2年に1回してやらせてもらっていないんですよ。年1回やりたいです。結婚してから何となく将来を考えて、一度マネージャーとじっくり話しました。声の仕事の方は『もっと増やしていこう』っていうのもありました。ナレーターの仕事いいですね。それ増やしたいです」

 ◆三浦 翔平(みうら・しょうへい)1988年6月3日生まれ、東京都出身。31歳。2007年に「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でフォトジェニック賞理想の恋人賞を受賞。08年のドラマ「ごくせん」で俳優デビュー。以後は「恋空」「ハングリー!」「エンジェル・ハート」「好きな人がいること」など多数のドラマに出演。10映画「THE LAST MESSAGE 海猿」で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞している。18年7月に女優の桐谷美玲と結婚。趣味はゴルフ、サーフィン、ツーリング、格闘技。身長181センチ、体重67キロ、血液型A型。

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