深海は、不気味で孤独で、美しい。海の底の深~いお話『深世海 Into the Depths』

『深世海 Into the Depths』より
『深世海 Into the Depths』より

 騒動続きで地上がこんな状態だから、もう海の底にでも潜ってしまいたい! そんなあなたにおすすめなのが、カプコンの新作『深世海 Into the Depths』だ。氷河によって文明が滅びる中、海の中でたったひとり暮らす人間を主人公とした潜水探検アクション。美しい映像と音で表現された深海に身を浸せば、現実世界の出来事も忘れられる、かもしれない。

 『深世海―』は昨年、Apple Arcade用に開発された新作ゲーム。スマホゲーマーからの評価も高く、このほどNintendo Switch版が発売された。凝りまくった世界観もさることながら、深海に潜るほどに謎を呼ぶストーリーも圧巻の面白さ。このクオリティーで2千円(1809円+税)を切るから驚きだ。

 地表を覆う氷によって崩壊した世界。潜水服に身を包み、倒壊した海中の建物でひとり暮らしていた主人公「潜海者」だったが、ある日、氷河の急激な浸食により、その住みかも奪われる。世界に何が起きたのか。自分のほかに生存者はいるのか。いくつもの謎を探るため、「潜海者」は海の底を目指す。

 ロマンあふれる海洋探索。海中独特の浮遊感を上手に制御しながら、広大な海中を進む。酸素にも限りがあり、ボンベの残量管理も重要。初期の潜水服では深海の水圧に耐えられないため、鉱物を発掘して装備を強化しながら深く、深く潜っていく。

 序盤、がれきの中から小型の機械が見つかる。「潜導(せんどう)」と呼ばれるメカで、これがこのゲーム唯一の相棒だ。言葉は発しないが、小魚のような動きで主人公を深海へとナビゲートする。孤独な世界ではありがたい存在だ。

 海洋生物も数多く登場する。クラゲやサメなどおなじみのものから、深海独特の不気味な生物も見つかる。発見した生物は「図鑑」にまとめられ、その生態などを閲覧することもできる。海中を回遊して「図鑑」を埋めていく作業は楽しく、運がよければシーラカンスなどの希少種も見つかるが、凶暴な巨大生物に襲われることもあるので気は抜けない。

 海底では、朽ち果てた建造物や沈んだ自動車の残骸などが発見でき、高度な文明の痕跡を感じることができる。言葉はないが、壁画のような図面の資料から内容を考察し、じわじわと文明崩壊の謎に迫っていく。

 そして衝撃の真相へ。人類はいかにして壊滅したのか。海の底に人類の生き残りはいるのか。「生きるとは何か」を問うシナリオが実に深い。難易度的にも難しすぎず、易しすぎずの絶妙なバランス。映像もサウンドも臨場感たっぷりで、密閉・密集・密接の「三密」から最も遠い広大な海の底での休日は極上の体験になるだろう。(平柳 洋希)

 ◆『深世海 Into the Depths』(カプコン)Nintendo Switch用、発売中、1809円+税(ダウンロード販売のみ)。

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