マーメイドジャパン強化プラン白紙状態…JISSとNTCが緊急事態宣言で使用中止に

19年、世界水泳で演技するアーティスティックスイミング日本代表チーム
19年、世界水泳で演技するアーティスティックスイミング日本代表チーム

 マーメイドジャパン、困った―。新型コロナウイルスの感染拡大による政府の緊急事態宣言を受け、日本スポーツ振興センター(JSC)は8日、五輪・パラリンピック選手の強化拠点である東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)と国立スポーツ科学センター(JISS)の利用を5月6日まで中止すると発表した。JISSを重要な拠点とするマーメイド(人魚)ことアーティスティックスイミング(AS)や競泳の一部の選手にも影響は大きく、強化プランが白紙状態になっている。

 五輪を目指す選手の“虎の穴”であるNTC、JISSがコロナで封鎖された。AS五輪代表8選手のうち、現在宿泊していた塚本真由、柳沢明希の2選手は7日のうちに退去した。日本水泳連盟の本間三和子AS委員長は「使用中止もあるんじゃないかと思っていたので、心構えはしていた。この社会状況を見たら仕方がない」と、冷静に受け止めた。

 選手同士の息を寸分の狂いもなく合わせる必要があるASは、年間の約半分を合宿に費やす。JISSはその中でも最重要拠点で、先月も本来ならば五輪への追い込みとなる合宿を行っていた。3月31日に合宿を一度解散し、残っていたのは関東を拠点とする2選手だった。他の6選手が合流し、来週から再び合宿の予定だったが中止になった。

 JISSだけではなく、代表の井村雅代ヘッドコーチが主宰する井村ASクラブが使う大阪・門真市のプールも、この日から5月6日まで使用停止。井村ASクには主将の乾友紀子ら代表5選手が在籍する。「練習できるプールを探したり、陸上のエクササイズをしたり、できる範囲でやってもらうしかない」と本間委員長。各選手には自主トレ用のエクササイズのメニューも配布した。ASの大会用プールは大きさに規定があり、水深3メートル、20×25メートル以上と決められている。市民プールでさえ利用できる場所は限られる。何より、全員まとまって練習できない影響は大きい。

 今後の国際大会も軒並み中止となり、強化プランは当面、白紙状態だ。「予定? 立てられないですね。それは仕方ないです。立てられないものは立てられない。その都度、対応するしかない」と、本間委員長は話した。

 競泳でも、五輪代表に決まっている瀬戸大也(ANA)や、平泳ぎの渡辺一平(トヨタ自動車)らがNTC、JISSでトレーニングを積んでいた。短期間で代わりの環境を探すのは非常に難しく、こちらも施設再開までは白紙に近い。延期になった五輪へ、再出発さえままならない状況が続く。(太田 倫)

 ◆国立スポーツ科学センター(JISS)とナショナルトレーニングセンター(NTC) ともにJSCが管理する。JISSは2001年10月、東京・北区に開所。競技団体や研究機関と連携し、トップ選手のパフォーマンス向上を担う。NTCは、JISSに隣接する敷地に08年1月にオープン。トップ選手の強化育成拠点として、地上3階、地下1階の屋内施設には柔道、体操、レスリング、バドミントンなどの専用練習場があり、陸上トラックと屋内テニスコート、宿泊棟も備える。19年6月には五輪、パラリンピック共用で、水泳や卓球などの専用練習場が整備された「NTCイースト」も完成した。日本オリンピック委員会(JOC)などが練習場を運用している。

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