【西武】辻発彦監督の自宅待機の一日を担当記者が電話インタ…セルフ白髪染めで感染防止、リフレッシュ法は映画観賞

愛犬・ルーキーと自宅でくつろぐ西武・辻監督
愛犬・ルーキーと自宅でくつろぐ西武・辻監督

 新型コロナウイルスの感染拡大によりプロ野球の開幕は延期。7日には東京や埼玉など7都府県に緊急事態宣言が出され、西武は当面の間、全体練習を中止した。首脳陣やチームスタッフの自宅待機が命じられ、選手は自主練習を行っている。チームを率いる指揮官は、まだ見えぬ開幕に向けどのように過ごしているのか。昨季リーグ連覇に導いた辻発彦監督(61)が8日、電話取材に応じ、自宅待機中の一日を明かした。(構成・森下 知玲)

 暗く沈んだ世の中の情勢にもかかわらず、西武のにぎやかさを象徴するかのように、辻監督の声は明るかった。

 「このような状況下で開幕日をすぐに決めることはできないと思いますし、我々は待つことしかできませんが、ファンの皆さんも開幕する日まで、首を長くしてお待ちいただけたらと思います」

 昨季パ・リーグ連覇に導いた名将は、通常のシーズン中と変わらずNHKの連続テレビ小説を見て、1時間のランニングで汗を流す。変わったのは、日課だったトイ・プードルのルーキー(メス・6歳)と自宅の庭で遊ぶ時間が増えたことだ。2月の南郷春季キャンプから続いていた40泊41日の長期遠征が終わった際には「犬に顔を忘れられてるだろうな…」と肩を落とすほどの愛犬家。戦況を見つめるベンチでの厳しい表情からは考えられない優しい笑みを浮かべ、癒やしをもらっている。

 「普段と変わらないけれど、庭で遊んだり、ずーっと一緒にいるよ。かわいいんだよなあ。あとは映画を見たり」

 自宅待機の期間はもっぱら映画漬けの毎日だ。もともとドラマや映画は好んで見ており、シーズン中は録画したドラマがどんどんたまっていく。作品は邦画や洋画、ヒューマンから若年層が好むラブコメまで幅広い。

 「息子がネットフリックスを見られるようにしてくれて。1日に2~3本は見てる。最近は『ひまわりと子犬の7日間』を見たんだけど、ジーンとしちゃったよ。『しあわせの隠れ場所』も良かったね。アメリカンフットボール選手の実話なんだけど、感動した」

心身リフレッシュ シーズン中は慌ただしい日々を送るだけに、厳しい現状を悲観せず、今は心身のリフレッシュに費やしている。それでもテレビや新聞でプロ野球のニュースを目にすれば、野球や選手のことが気になる。どう戦うか、打順、先発ローテ…。頭の中は野球でいっぱいかと思いきや、出てきた言葉は、チームを預かる指揮官だからこそのものだった。

 「今は、これからの戦いがどうとか考える次元じゃない。開幕どころか、いつ(全体)練習が始められるかも分からない状況。(開幕日や練習再開の目安が)決まらないから、今後の戦い方を考えることは難しい。まずはチームから(新型コロナウイルスの)感染者を出さないように、ということしか考えられない。やっぱり監督っていう立場である以上、感染するのは防がなきゃダメでしょう? 身近にも起こっていることだし、まずは自分自身が気をつけないと。手洗い、うがいもしてるけれど、何しててもビビっちゃう。宅急便受け取るのも怖いんだから。美容室も人が集まるし、今は(行きつけの店に)頼んで、染料をもらって自分で髪を染めてるんだよ」

 普段は報道陣にも気さくに対応するが、感染が拡大した今月上旬には「2メートル離れて~!」と、笑いながら呼びかけていた。チームに混乱を招くことがないよう、誰よりも感染防止を徹底する。気がかりなのはナインのこと。練習時間や内容にも制限がかかり、厳しい環境下で調整を続ける選手たちを思いやった。

 「プロなんだから(練習のことは)心配していない。ただ練習を見に行けないから、ネットニュースを見てる。山川がキャッチャーの練習してたりね。(選手間で)感染したりしないか心配でもあるけれど、家にいるよりグラウンドに来て、走ったり、打ったりすればリフレッシュにもなると思うし。だから自分自身もストレスがたまらないよう、健康でいるためにランニングはしている。少しは汗かいて、日に当たらないとね」

 例年通りならばシーズンは開幕している。最近は自宅にいる時間を利用し、普段できないことにも取り組み始めた。

 「時間があるから、タンスの中を整理しようと思って。(奥さんに)着ていない服を勝手に片付けられちゃったりするから。まだ始めたばかりなんだけど、ネットフリックスが面白くて全然進んでないんだよね(笑い)」

 断捨離には時間がかかりそうだが、貴重な自宅での時間をリフレッシュに使い、前向きに日々を過ごしている。再び指揮を執るその日まで元気をチャージし、3連覇に向けた準備を整える。

 ◆辻 発彦(つじ・はつひこ)1958年10月24日、佐賀県生まれ。61歳。佐賀東高から日本通運を経て、83年ドラフト2位で西武入団。二塁手として黄金期を支え93年に首位打者、ゴールデン・グラブ賞は8度獲得した。96年にヤクルトへ移籍し99年に現役引退。ヤクルト、横浜、中日でコーチを歴任し、2006年のWBCでは日本代表の内野守備走塁コーチとして世界一に貢献。17年から西武監督に就任。選手とのコミュニケーションを忘れず、昨季はチームを21年ぶりの連覇に導いた。182センチ、80キロ。右投右打。

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