安倍晋三首相、7都府県足並みそろわず“緊急事態”休業施設への補償問題で対立

東京都が検討している緊急事態措置案の概要
東京都が検討している緊急事態措置案の概要

 安倍晋三首相(65)は7日、新型コロナウイルスの感染拡大に備える改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく政府対策本部の会合を官邸で開き、東京都など7都府県に対し緊急事態宣言を発令した。期間は5月6日までの1か月間。特措法による宣言は初めてで、私権制限を伴う措置が可能となる。ところが、小池百合子都知事(67)ら7都府県の知事からは施設の休業要請を延期、あるいは実施しない意向の表明が続出。宣言当日から国と対象自治体の足並みがそろわないという“緊急事態”となった。

 首相による緊急事態宣言発令後の会見。見慣れないマスクについて問われた小池氏は「ウフフ」と笑った。「マスクは世界の通貨をしのぐ存在になりつつあります。ちなみに私のマスクは手作り。近所の方にお届けいただいたものです」。小さな△マークが多数あしらわれたマスクは、国の緊急事態宣言への「△評価」のようにも見えた。

 小池氏は都の緊急事態措置について「何よりもまず外出自粛を。ステイホーム。おうちにいましょう」とあらためて不要不急の外出自粛を強調し、即実施を明言。ところが、施設の休業要請については対象となる業種や施設を10日に発表し、11日から開始するとした。国との調整がつかず、外出自粛との両輪になるべき要請がズレ込むことになった。

 6日の会見では休業を要請する業種を明示。バーや居酒屋、パチンコ店も対象になる見通しとしていたが、この日は具体的な業種を公表せず。小池氏は「なるべく早くしなければいけないが、どういう形で(対象となる)事業を分けるか、国と調整する必要がある」とした。宣言に先立つ衆参議院運営委員会で安倍首相が「バーやクラブでの売り上げは相当になる。全てを補填(ほてん)することはできない」と答弁。都は、調整を要する業種が何かは明言を避けたが、飲食店に対する補償について国との議論が不十分だった可能性もある。この日、政府は理髪店やホームセンターについても要請対象にはならないとの考えを示し、都との間で見解の相違が生じていた。

 ズレ込むものの11日から実施する都に対し、大阪府と埼玉、千葉、神奈川、兵庫の各県は飲食店などへの休業要請を当面は行わない方針を表明した。神奈川県の黒岩祐治知事は「補償とセットでなければ、なかなか理解いただけない」、千葉県の森田健作知事は「経済への影響をなるべく小さくしたい思いも公平性(の問題)もある」と述べた。大阪府の吉村洋文知事は外出自粛要請の効果を踏まえ、休業要請について今後検討するとしたが、飲食店や食料品店には制限をかけず、事業継続を求める方針だ。

 歴史に残る緊急事態宣言となったが、国と対象となる7都府県が一枚岩にならない不穏なスタートとなった。

 ◆新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言 感染が全国的かつ急速にまん延し、生活と経済に甚大な影響を及ぼす恐れがある時、首相が区域と期間を定めて宣言する。これにより、都道府県知事は〈1〉不要不急の外出の自粛要請〈2〉映画館など興行施設の使用制限の要請・指示―ができる。このほか、臨時の医療施設を開設するため所有者の同意がなくても土地や建物の使用が可能になる。医薬品や食品などの売り渡し要請・収用もできる。保管命令に応じない場合などには罰則がある。

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