【札幌】脳腫瘍克服の元Jリーガーが古巣に「恩返し」未来の“卵”育てる

アカデミーの練習に初合流した横山コーチ(中央、カメラ・川上 大志)
アカデミーの練習に初合流した横山コーチ(中央、カメラ・川上 大志)

 2017年1月~18年12月にJ1札幌に所属し、昨季限りで現役を引退した横山知伸氏(35)が7日、北海道コンサドーレ札幌アカデミーフィジカルコーチとして、札幌市内で行われた練習に初合流した。18年12月には脳の腫瘍摘出手術も経験して復活した苦労人は、子供たちに熱いサッカー愛を伝え、未来のJリーガー育成に貢献していく。

 2月の現役引退以来、久々に履くスパイクの感触に、サッカーへの愛をさらに強くした。横山アカデミーフィジカルコーチの“初現場”は札幌U―15の練習。将来プロを目指す子供の元気な姿に「今の中学生はスムーズに体も動かせて、うまいなって。(初日の)今日はしっかりボール拾いをやりました」と笑みをこぼした。

 約2年4か月ぶりに戻ってきたコンサドーレで、唯一無二の経験を余すことなく伝えていく。17年から在籍した札幌で迎えた18年12月。脳腫瘍と診断され、摘出手術を受けた。東京・帝京高卒業後に1年浪人して早大に入学し、卒業時に一流証券会社の内定を辞退してまで入ったプロの世界。困難な道を常に選んで突き進んできた男は、大病に見舞われても戦線復帰を信じトレーニングを続け、19年9月にはJ2岐阜と契約するまではい上がった。再びピッチに立つことはかなわなかったが、“カムバック”を果たしたことは財産。「子供たちには、目の前のことを一生懸命やっていけば必ず道は開けると伝えたい」と言葉に力を込める。

 元々、大学時代から学び、興味があったというフィジカルコーチの仕事。引退報告した三上大勝GM(48)に「うちでどうだ?」と声をもらったことが縁で、その夢が実現した。12年に及ぶプロ生活で在籍はわずか2年弱だが、リハビリ中に札幌ドームで掲げられた横断幕や募金活動に胸を打たれ続けてきた。「ここには感謝しかない。コンサドーレを代表する選手を育てて、恩返しがしたい」。かけがえのないクラブで、第2のサッカー人生をスタートさせる。(川上 大志)

 ◆横山 知伸(よこやま・とものぶ)1985年3月18日、東京都生まれ。35歳。早大から2008年にJ1川崎入り。12年からJ1・C大阪、14年からJ1大宮でプレーし、17年に期限付き移籍で札幌に加入。18年に完全移籍となり、同年8月にJ2熊本へ期限付き移籍後、同年までで札幌との契約が満了となった。19年9月にJ2岐阜に加入。今年2月に現役を引退した。J1通算162試合出場7得点、J2通算48試合出場3得点。

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