宝塚歌劇元雪組トップ・たかね吹々己 がん手術で引退後は旅館の女将に転身

元宝塚歌劇雪組トップスター・たかね吹々己
元宝塚歌劇雪組トップスター・たかね吹々己

 宝塚歌劇の元雪組トップスター・たかね吹々己(ふぶき=旧芸名・高嶺ふぶき)が5日、京都市内でスポーツ報知の取材に応じ、甲状腺乳頭がんの手術のため5月で芸能界を引退し、旅館の女将(おかみ)に転身することを明かした。

 たかねは元々バセドウ病を患っていたが、今年3月に検査を受けたところ、甲状腺乳頭がんと判明。「甲状腺を全摘して、周りのリンパ節を切除すれば98%の確率で治る」と医師に説明された。

 手術すれば声帯のコントロールに影響し、定評のある歌声は出なくなるが「決断は早かったですね。これまで、やれるだけのことはやってきたつもりですし。命あっての物種。放置もできないし」と、たかね。「自分が納得できない歌にお金を払っていただくようなパフォーマーではいたくない。『それでいい』と言われても、私が嫌」と引退を決め、5月末に手術を受ける予定だ。

 1983年、高嶺ふぶきの芸名で宝塚歌劇団に入団し、雪組に配属。歌える実力派二枚目として人気を博し、96年に日本初演となった「エリザベート~愛と死の輪舞~」では皇帝フランツ・ヨーゼフを演じた。今もこの雪組初演がベストという声もある。「命をかけていましたもん。誇りですね」。同年にトップスターに就任し、97年の退団作「仮面のロマネスク」はその後3度、再演されている名作で「(初演は)間違いじゃなかった」と、しみじみ。

 入団から35年の春。今月10~12日に京都府立文化芸術会館で上演する「劇団とっても便利」のミュージカル「美しい人」の特別出演が結果的に引退公演となる。

 19年に公開された映画「葬式の名人」(主演・前田敦子)の脚本・プロデューサーで、同ミュージカルの作曲・脚本・演出を務める大野裕之氏(45)は、07年からたかねと仕事を一緒にしているが「稽古初日に『実は、これで終わりにするから』と。他の治療も探すべきではと何度もお話ししたのですが…。歌声の成長がなくなるなら、すっぱりとやめる。プライドなんですね。唯一無二の歌声が聞けなくなるのは一ファンとして残念。若い人とも対等に、一緒にものを作ろうという姿勢を見せていただいた、本当の俳優さん」と残念そう。

 「美しい人」は2002年初演。不況下のホームレスを集めた「動物園」ならぬ「人間園」を舞台設定に、格差社会を問いかける。18年ぶりの再演で特別出演するたかねの役は、象徴的存在「大きな鳥」役。たかねは「人間だけど人間じゃない。音楽学校時代を含めて39年、日々精進でした。今まで培ってきたものを凝縮して出したい」と意気込んだ。

 羽ばたく先の新天地も見つかった。宝塚、女優業に続く第3の人生は、山口県周防大島町にある旅館の再建。宝塚時代の上級生の推薦を受け、女将の面接に受かった。旅館は現在改装中で秋以降に従事。町おこしのイベントのプロデュースなどにも携わる。「不安は全然ないです。ちょっとした別世界に浸ってもらって、喜んでいただく。これまでと、すべてに共通点がありますね」と腕まくりした。

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