南スーダン五輪選手団「日本残りたい」希望かなった…事前合宿地・前橋市が延期された五輪本番までの支援継続を約束

前橋市内の練習拠点で記者会見を行った山本龍市長(右から4人目)と南スーダン選手団
前橋市内の練習拠点で記者会見を行った山本龍市長(右から4人目)と南スーダン選手団

 新型コロナウイルス感染拡大で1年をめどに延期が決まった東京五輪に向け、アフリカ・南スーダン選手団が事前合宿を行っている群馬県前橋市は26日、同市内で記者会見し、大会開催まで同市に滞在できるよう支援を続ける意向を明らかにした。延期が決まってから、選手からは「可能ならば日本に残りたい」との声が上がっていた。(奥津 友希乃)

 南スーダン選手団は、内戦が続き競技環境が十分に整っていないことなどから、大会開催の約8か月前に「異例の」早さで来日した。前橋市が陸上選手4人とコーチ1人を受け入れ、昨年11月から事前合宿を行っていたが、大会開催延期によって「超異例の」長期合宿になりそうだ。

 前橋市の山本龍市長(60)は26日、選手団の練習拠点を訪れ、「母国の平和を背負い練習に励んできた選手団に対して、市としては来年の大会開催まで、継続的な事前合宿を応援したい」と話した。

 当初の予定の7月までの滞在費用は、既にクラウドファンディングで約1400万円が集まっているが、来年の大会まで滞在を延長する場合は、1年あたり約2000万円の選手団の滞在費用の確保が問題になってくる。また在留期間が1年の「研修ビザ」で来日しているため、更新手続きなども必要。今後、南スーダンのオリンピック委員会やJICA(国際協力機構)などの関係機関と協議し、対応を検討する。

 陸上男子1500メートルのグエム・アブラハム(20)は、「みなさんの支援に感謝している。練習環境もよくて、日本での時間は幸せ。可能であれば、前橋で合宿を継続したい」。他の選手やコーチからも大会開催までの滞在を望む声が上がった。

 南スーダンでは新型コロナ感染者こそ出ていないものの、感染防止対策のため、国境封鎖や首都・ジュバの空港を閉鎖するなどの措置を取っている。各国と比べても医療体制がぜい弱であることなどから、選手らは「母国の状況も心配している」と表情を曇らせる。

 それでも、陸上女子100メートルのモリス・ルシア(19)は「お母さんに会えないさみしさはあるけど、五輪に出るために日本に来た。延期になったことで、より多くの時間を練習に充てることができるし、希望を持っている」と、五輪に向け前向きな思いを口にした。

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