TBS幹部も「一発、元気を届けられないか」…4・19スタート「半沢直樹」は世の中の閉塞感を吹っ飛ばせるのか

7年ぶり復活の「半沢直樹」主演の堺雅人。「倍返しだ!!」の名ゼリフも帰ってくるのか
7年ぶり復活の「半沢直樹」主演の堺雅人。「倍返しだ!!」の名ゼリフも帰ってくるのか
7年ぶりに帰ってくる「半沢直樹」で主人公の妻・花を演じる上戸彩
7年ぶりに帰ってくる「半沢直樹」で主人公の妻・花を演じる上戸彩

 「ドラマのTBS」という言葉がある。おじさん記者の頭にパッと浮かぶだけでも「水戸黄門」に山口百恵さんの「赤い」シリーズ、「3年B組金八先生」に「金曜日の妻たちへ」、「渡る世間は鬼ばかり」に「JIN―仁―」などの名作がズラリ。長期シリーズ化も成し遂げたヒット作を生み出してきた同局が今、完全復活を遂げている。

 25日、東京・赤坂のTBSで行われた佐々木卓社長(60)の定例会見。新型コロナ余波の中、記者全員がマスク着用、席間も空けて開催された沈鬱な空気の中、こと、ドラマに関する受け答えの瞬間だけは会場に明るいムードが漂った。

 22日に放送された竹内涼真(26)主演の日曜劇場「テセウスの船」(日曜・後9時)最終回の平均視聴率が19・6%と番組最高を記録。「中盤以降、数字を伸ばしまして、最終回で最高視聴率19・6%と有終の美を飾りました。大変、うれしく思っています」と笑顔を見せた佐々木社長。編成担当の伊佐野英樹取締役も「犯人に対する考察で盛り上がりました。全話平均は13・4%でした」と胸を張った。

 さらに17日に放送された上白石萌音(22)主演の「恋はつづくよどこまでも」(火曜・後10時)最終回の平均視聴率も15・4%で番組最高。伊佐野氏は「SNS上で大変な評判を呼び、無料見逃し配信数でTBS史上最高の368万再生回を記録しました」と明かした。

 この2作が1月クールを席巻する中、満を持して7年ぶりに復活するのが、堺雅人(46)主演の日曜劇場「半沢直樹」(4月19日初回、日曜・後9時)だ。

 1作目は2013年7月7日から9月22日にかけ全10話が放送され、最終回で平均視聴率42・2%を記録。同枠の木村拓哉(47)主演「ビューティフルライフ」(2000年1月クール)の41・3%を抜いて、平成歴代1位の好数字をマークしたモンスター・ドラマだ(数字はビデオリサーチ調べ、関東地区)。

 池井戸潤(56)さんのベストセラーが原作。堺演じる銀行員・半沢が上司の不正を暴いて口にする「やられたらやり返す。倍返しだ!!」の名セリフは「じぇじぇじぇ」などと並び、その年の新語・流行語大賞に輝いた。

 佐々木社長も「半沢直樹」について聞かれたとたん、待ってましたとばかりに「7年ぶりに帰ってきます。新型コロナで閉塞感が漂っている中、お茶の間で家族で楽しんでいただきたい。テレビの力を発揮したい」と前のめり気味に言った。

 熱弁は止まらず、「このドラマは7年前に明らかに社会現象になりました。テレビドラマという枠を超えて、金融を描いて、子供たちから年配の方までみんなが見るコンテンツとなった。我々としてもびっくりするような体験でした」と振り返った上で「作品としても、ものすごく期待しています。どんな展開になるのか、内容にも今からワクワクしています。テレビの持つ影響力の広がり方という意味でも期待しています」と続けた。

 注目点は、もう一点。ビデオリサーチ社が4月から世帯視聴率に加え、個人視聴率も発表する。平成最高の視聴率42・2%をたたき出した「半沢直樹」は令和の時代に個人視聴率という新しい指標の元、どんな数字をたたき出すのか。

 新たな視聴率指標について聞かれた佐々木社長は「個人視聴率の全国化ということで統計の取り方が変わる。どういう視聴者が見るかが細分化される。クライアントにもどういう方が見たかが説明できる。何千万人に見られましたということ(発表)も可能になります。よりテレビの持つメディア・パワーを知らしめることができるようになると思います」と気合十分に答えた。

 個人視聴率発表スタートの月に「半沢直樹」がスタートするのも、佐々木社長の言葉を借りれば、「テレビの持つメディア・パワーを知らしめる」ための運命なのか。目標とする視聴率を聞かれた時だけは「それは…」と口をつくんだ同社長だったが、「半沢直樹」に関するやり取りの間、終始笑顔だったのは確かだ。

 振り返れば、前回2月26日の定例会見。今年最初の会見ということで所感を聞かれた佐々木社長は「年頭の所感で個別の作品について触れるのは異例ですが、今年は特に『半沢直樹』につきます。すでにクランクインしていると聞いていますし、どんなできばえになっているのか、ドキドキします」とフライング気味に熱い期待を寄せていた。

 視聴者の期待も、すでにヒートアップしている。私は今月初旬、「報知WEB」に「堺雅人主演の日曜劇場『半沢直樹』7年ぶり復活…TBS4月改編発表」という記事をアップした。すると、即座に読者からの熱いコメントが殺到した。

 「前回の最終回42・2%はすごい数字。続編が見られることは素直にうれしい」

 「前作のクオリティーは高かったし、久しぶりに職場で話題になるドラマだった。7年ぶりか。待ち遠しい」

 「これは絶対見る。待ったよ! 7年間」

 期待感にあふれた言葉の数々。私自身も13年版を毎回、夢中になってリアルタイムで見たし、最終回での香川照之(54)演じる大和田常務の半沢への“カクカク土下座”には胸がすく思いがした。滝藤賢一(43)演じる真面目な行員・近藤の窮地には「近藤ちゃん…」と、あたかも自分の友人のような思いを胸に視聴した。

 そして何より堺の熱演。早大演劇研究会出身の堺を劇団「東京オレンジ」時代から注目していた私は毎回、「うまいなあ」「男としての色気もすごいなあ」と、画面に見入ってきた。その後、16年のNHK大河「真田丸」ヒットでのトップ俳優への仲間入りも皆さん、ご存じの通りだ。

 この日、伊佐野氏が口にした「日曜の夜にみんなが元気になるものをやりたいと、現場も燃えています。こういう(新型コロナの)状況なので、より一発、元気を届けられないかという思いでやっている」という決意こそ本物。原作の力に加え、福澤克雄氏らの演出力プラス俳優たちの抜群の演技。7年前、持てる力の全てを結集して成功に導いたチームが続編も手がけるだけに、新型コロナ余波を吹っ飛ばす熱いドラマになるのは間違いない。

 堺自身がマスコミ向け資料でクランクイン初日の気持ちを「実際に現場に入ってみると、スタッフのみなさんの勢いが『つきすぎている』といっても良いくらい凄かった。取り残されそうで、ちょっと慌てました」とつづっている通り、制作チーム、さらにTBS幹部たちのこの作品にかける思いは熱すぎる。もう止められないくらいヒートアップしていることを、この日の社長会見でも感じた。作り手側が熱くならなくて、どうして視聴者に熱さが伝わるだろうと、私は思う。

 だからこそ、この熱狂の中、迎える19日の初回が楽しみでしようがない。果たして42・2%の平成最高の視聴率をたたき出したモンスター・ドラマが令和の春も席巻(せっけん)するのか。新型コロナ余波も吹っ飛ばす熱い日曜の夜が、すぐそこまで来ている。(記者コラム・中村 健吾)

 ◆2013年7月期放送「半沢直樹」の視聴率推移

 ▽第1話 19・4%

 ▽第2話 21・8%

 ▽第3話 22・9%

 ▽第4話 27・6%

 ▽第5話 29・0%

 ▽第6話 29・0%

 ▽第7話 30・0%

 ▽第8話 32・9%

 ▽第9話 35・9%

 ▽第10話 42・2%

(数字は関東地区、ビデオリサーチ調べ)

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